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土居志央梨 山田よねは「常に心の中に住まわせておきたい役」 連続テレビ小説「虎に翼」【インタビュー】

(C)NHK

-よねを演じるに当たって、どんな準備を?

 よねには力強い声が似合うと思ったので、最初は自宅で、1人でしゃべりながら声のトーンを探っていました。ただ、新潟編のときなど撮影が空いた期間があり、その後久しぶりに撮影に臨んだら、声のチューニングがうまくできず、悪魔のような低い声になってしまって(笑)。その時は監督や沙莉ちゃんに相談しながら修正していきました。スーツのポケットに手を入れるしぐさも、よねにとっては長年の習慣なので、取ってつけた感じでなく、慣れ親しんだものに見えるように心がけています。そのせいか、スカートをはく気にならず、現場にスカートで来たことが一度もないんです。多分、染み付いているんでしょうね。

-よねは寅子に対してきつく当たることが多いですが、どんなことを意識して演じていますか。

 トラちゃんに対するよねの「うるさい」、「うっとうしい」、「アホか!」という言葉は、読み解いてみると結局、よねがうれしいときや照れているとき、図星だと指摘されたときなどに出ているんです。つまり、よねの愛情表現なんですよね。学生時代から、よねが何度「うっとうしい」と言っても、トラちゃんが「よねさん、よねさん」と寄ってくるのも、2人が仲のいい証拠だと思っていましたし。だから、その時々のよねの焦りや動揺の具合を考えてお芝居しています。

-「虎に翼」という作品や山田よねという役は、土居さんの中でどんな位置づけになりましたか。

 このタイミングで「虎に翼」という作品に出合い、よねを演じられて、本当に良かったと思っています。私にとってとても大きな作品ですし、今後の人生において、思い出すたびに勇気をもらえる作品じゃないかなと。仕事をしていく上でも、常に心の中によねを住まわせておき、弱気になったときはよねの力を借りれば、頑張っていけるような気がしています。

-「このタイミング」というのは?

 20代の頃は、一生懸命頑張りたくてもどうしていいかわからなかったり、猪突(ちょとつ)猛進で視野が狭かったりする部分もあったと思うんです。もしその頃だったら、のめり込みすぎてわけがわからなくなり、よねを俯瞰(ふかん)して演じられなかったんじゃないかなと。でも、30代になって視野も広がり、いろんなことに興味が湧き、少しだけ余裕を持てるようになったタイミングでお話をいただいたおかげで、現場を楽しめているような気がして。そういう意味でも、すごくご縁を感じています。

-それでは最後に、今後の見どころと視聴者へのメッセージを。

 たくさんの応援をありがとうございます。今後は、法廷のシーンがたくさん出てくるので、リーガルドラマとしての「虎に翼」に注目していただければと思います。最後の1秒まで全員で力を合わせて頑張りますので、ぜひ最後まで楽しんでください。

(取材・文/井上健一)

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