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「僕たちがこれだけいろいろと頑張ったんだから、とりあえず見てくれ」(笑) 山寺宏一、伊瀬茉莉也『ビートルジュース ビートルジュース』【インタビュー】

-今回の吹き替えをしながら、苦労した点、楽しかった点、心掛けたことなどを。

山寺 一番苦労したのは全身吹き替えですけど(笑)。声の方ではもちろんビートルジュースは初めてだったので、どうやったら日本語吹き替え版を見に来るお客さんに楽しんでいただけるかということを考えました。字幕版と両方見る方もいるので、全く違ってもいけないし、違和感があってもいけないし、そこが難しいところです。マイケル・キ―トンをやるのは初めてじゃないけど、ビートルジュースを演じている彼をやるのは初めてだったので、冒頭のシーンはどういうテンションがいいのかとか、ディレクターといろいろと相談をしました。あとは、いくつかのパターンをやってみて、どれが面白いのかを判断してもらうこともありました。やっぱりこの仕事は、難しければ難しいほど楽しいです。ただ、うまくできたというのは自己満足で、あとは観客の皆さんの評価なので、そこでまた落ち込む可能性はありますけど、やっている時は楽しかったです。

伊瀬 ジェナ・オルテガさんの吹き替えを担当させていただいたのは今回が2作目でした。ディレクションの時に、もっとリアルにティーンエージャーの揺れている感じを出してほしいみたいに言われました。劇中のせりふで「リアルに生きろ」というのがありますが、まさにそれだなと。出てくるのはこの世のものではないキャラクターばかりだけど、アストリッドは生身の人間ということで、結構ディスカッションをして、キャラクターを固めるのにちょっと時間がかかりました。そこが難しくもあり、楽しいところでもありました。

-マイケル・キートンにはどんなイメージを持っていますか。

山寺 捉えどころが難しい。コメディーもシリアスな役もやって、そんなに派手な芝居をするわけじゃない。独特な感性を持っていると思うので、他の人とはちょっと違う感じがします。作品によって印象がガラッと変わりますしね。どちらかといえば静かな芝居が多い。多分、オーバーな演技とかあざといのが嫌いなんだろうなと思います。でも、ビートルジュースは振り切って思いっ切りやっているじゃないですか。だからいろんな引き出しを持っている人なんだなと改めて感じました。

-映画を見た感想や見どころも含めて、観客に向けて一言ずつお願いします。

伊瀬 ティム・バートン監督の世界観がドドーンと出ている作品になっているので、前作を見たことがない人でも、すごく楽しめる作品になっていると思います。ぜひ吹き替え版の方で楽しんでいただけたらうれしいなって思います。

山寺 これぞティム・バートンという感じの、これでもかというぐらい変なキャラが出てくるホラーコメディーの決定版です。あと一つどうしても言いたいことは、「僕たちがこれだけいろいろと頑張ったんだから、とりあえず見てくれ」と(笑)。できれば字幕版と吹き替え版を見比べてほしいです。

(取材・文・写真/田中雄二)

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