-劇中では史織の家の家業である機織り工場の様子をはじめ、服作りの過程が丁寧に描かれていますが、その印象は?
服部 服作りに限らず、「ものを作る」ってすごいことなんだなと、今回の撮影を通して感じました。機織り工場の中にもさまざまな工程があり、他にも仕上げ工場や紡績工場など、いろんな工場がかかわって、ようやく服ができるんです。それを初めて知り、職人さんってすごいなと。でもそれは、映画も同じなんですよね。スタッフやキャストの皆さんが切磋琢磨(せっさたくま)して作り上げ、お客さんに見ていただくことで、ようやく映画は完成するので。だから、いろんな人が関わる「もの作り」って、とてもすてきだと思いました。
長澤 劇中でも、史織が一本一本糸を通して作っていく過程が丁寧に描かれていたので、「すごい」と思いながら、真理子としてすぐそばで見ていた。タイトルにある「優しい服」ってこういうことなんだろうなと思って。そういうものを間近で見る機会はなかなかないので、私自身にとっても貴重な経験だった。
-本作は、史織が夢に挑戦する物語ですが、お2人が夢を実現する上で心がけていることは?
服部 私は、「いつか絶対にできる」と信じ続けることを大事にしています。クラシックバレエをやっていた頃も、「一位になりたい」と思ったら、そのことだけに集中して生活し、練習したおかげで、結果を出すことができました。「俳優になりたい」と思ったときも、親から反対されたんですけど、諦めずに願い続けたら、『ミッドナイトスワン』のオーディションと、運命的に出会うことができて。「言霊」も信じていますし、絶対かなうと信じ、やり続けることが大事なのかなと。その点、やりたいことに真っすぐ向き合う史織には、共感する部分が多かったです。
長澤 「やり続ける」、「思い続ける」って大事だよね。やらなければできないのは当たり前で、やってできないことと、やらずにできないことは全然違うから。それと、私が最近大事にしているのが、楽しむこと。つらいことも含め、全てを楽しめたら、すごく幸せだし、気持ちがポジティブな方が運を引き寄せると思うから。いつか夢がかなったとき、「つらかったけど、楽しい思い出だったな」と思えたらすてきだよね。
-それでは最後に、お2人のこれからの夢を教えてください。
服部 私は、いろんな役を演じられる俳優になりたいです。普段の自分のテンション感や雰囲気とまったく異なる役をやれることのすごさに、演技を始めてから気付いたので。特に、「二十五、二十一」(22)という韓国ドラマに主演しているキム・テリさんが、役によって声まで変えているのがとても魅力的で、ファンになりました。だから、私もいろんな役にどんどん挑戦していきたいですし、韓国語をしゃべれるので、いずれは大好きな韓国の作品にも出演してみたいです。
長澤 私も、海外の作品に出ることは夢の一つ。でもそれ以前に、挑戦することが大好きなので、今回の真理子役もテンションの高い役を演じるという挑戦だったし、それがこの先、どんな未来につながるのか考えると、すごく楽しみ。だから、そういう挑戦の連続をこれからも続け、どんどん新しい未来を切り開いて行きたいです。
(取材・文・写真/井上健一)