-そういういい現場にするために、座長として取り組んでいることはありますか。
出演してくださるお店の方やエキストラの方々を含め、待ち時間に皆さんとお話しをして、いい雰囲気を作ることを心がけています。お店の方はカメラに不慣れで緊張していらっしゃいますし、エキストラの皆さんなしでは作品が成立しません。むしろ、エキストラの皆さんの方が、私より大変だったりするんです。映るかどうかもわからないのに、何度も同じものを食べ、口パクでお芝居しなければいけないわけですから。にもかかわらず、いつも笑顔でいてくださる皆さんに、私が助けられている部分もあって。そんなふうに、みんなで作っている作品なので、できるだけコミュニケーションをとり、楽しい現場にしたいと思っています。
-その積み重ねで「ワカコ酒」はこれまで続いてきたわけですね。ところで、今回はSeason7から1年4カ月ぶりの「ワカコ酒」となりますが、武田さんにとってこの期間はどんな時間でしたか。
実は最近、大きな作品が終わるたびにお休みをいただき、2~3週間の短期で海外に語学留学しているんです。Season7から8の間にも色々な国に行きましたが、最近はフィリピンの映画に参加していたこともあり、フィリピンへの留学を繰り返していました。
-アクションが得意な武田さんらしい行動力です!
「留学」といっても、私が参加するのは1日12時間くらい集中的に勉強するコース。当然、コミュニケーションはすべて英語。多国籍で幅広い年齢層に、さまざまな職業の方が受けます。そういう環境で生活し、今まで知らなかった世界に触れたことで、自分の意識が大きく変わりました。おかげで、単なる「語学の勉強」以上の経験ができ、人生を見つめ直す時間にもなり、すごく刺激的でした。
-それはなにかきっかけがあったのでしょうか。
10代からこのお仕事をしてきましたが、30代手前で自分の中で足りないものが明確に見えたんです。でも、その時はちょうどコロナ禍だったので、落ち着いたらやりたいことを全部やろうと思って。それを今、実行している最中で、その一つが語学留学なんです。
-その成果が俳優業でも発揮されていると?
最近は香港やフィリピンの映画に出演させていただくなど、今後の予定も含め、少しずつ国際的な作品に携わる機会が増えています。語学を学んだおかげで、今ではプロデューサーやスタッフの皆さんと通訳抜きでコミュニケーションをとれるようになりました。