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宮野真守&神山智洋、初共演の二人が作り上げる、劇団☆新感線のドタバタ音楽活劇ミステリー 「多幸感にあふれた作品をお届けしたい」【インタビュー】

 宮野真守と神山智洋(WEST.)が出演する、2026年劇団☆新感線46周年興行・夏公演 SHINKANSEN☆RSP 怪奇骨董音楽劇「アケチコ!~蒸気の黒ダイヤ、あるいは狂気の島~」が、6月12日から上演される。本作は、脚本に劇作家の福原充則を迎え、大正浪漫を感じる時代設定と江戸川乱歩が描いたようなほの暗い匂いが漂うスチームパンクな世界を描く。秘密が大好きな名探偵・アケチコ五郎を宮野、マニラ育ちの帰国子女にして名探偵の新田一耕助を神山が演じる。宮野と神山に本作への意気込みや劇団☆新感線への思いを聞いた。

神山智洋【ヘアメーク:三田彩聖/スタイリング:内田あゆみ(creative GUILD)】(左)と宮野真守【ヘアメーク:宮本愛(yosine.)/スタイリング:小林新(UM)】

(取材当時)すでにお稽古が始まっているそうですが、カンパニーの雰囲気や、お稽古を通して感じていることを教えてください。

宮野 本読みがとにかく面白かったです。本作の製作発表のときに、福原さんが「これぞ劇団☆新感線と思うものを書きました」とおっしゃっていましたが、それが本読みをしたことで非常によく分かりました。劇団☆新感線を好きな人が、劇団☆新感線の劇団員さんを思い浮かべながらせりふをつづっているのだろうなと。なので、その台本を皆さんが本読みでどう表現されるのだろうとすごくワクワクしましたし、想像以上のやりとりが見られて、これは面白いものになるなと改めて感じました。ただ、同時に「宮野らしさってなんだろう。どんなイメージを持たれているのだろう」とか、「そこから出てくるキャラクター性をどうやって面白く成立させられるか」と、勝手にごちゃごちゃ考えながら読んでいたので、プレッシャーもありました。僕は、芝居が好きなものですから、考えすぎてしまうんです。でも、古田(新太)さんはすごくフラットに読まれていて、しかもそれが面白くて。古田さんは、アンダルシアン・クーガーという性別不明の謎の怪人を演じられるのですが、そういう役でありながら、すごくナチュラルに話していて、でもそれがすごくすてきだったんです。

神山 稽古場はアットホームな空気が流れていて、両手を広げて迎え入れてくれる感覚があります。それが劇団☆新感線だなと。僕は劇団☆新感線への出演は10年ぶりになりますが、皆さん、以前と全く変わらなかったです。ただ、僕も緊張していましたし、構えていたので、どうしても本を読みながらも迷いが出てしまって。なので、まずはそれを全て捨てるところから始めようと思っています。実際に読んだり、立ってみることで分かることもたくさんあるので。

役への解釈は、台本をもらって読み始めたときと今では違いますか。

神山 全然違います。やっぱり稽古をして、いのうえさんの演出がついて「こんな感じかも」というのが分かりました。今いのうえさんが実際にやって見せてくださったものから自分の中で新田一というものをしっかりと作っていって、針の穴に糸を通すような作業をしていくのがいいのかなと思っています。今、鋭意お稽古中ではありますが、とにかく幸せで楽しいオーラや、多幸感にあふれた作品をお届けしたいと思っています。ほかにはあまりない作品だと思うんです。

宮野 確かに、なかなかないですね。

神山 面白くて、「出来上がっているやん!」というものを作りたいです。自分にできることは何なのかを、探しながら稽古をしている最中です。

宮野さんは今回、劇団☆新感線では22年以来の出演、神山さんは10年ぶりの出演になります。お二人がまた出たいと思う、劇団☆新感線の魅力はどういったところにあるのですか。

宮野 やっぱり僕はエンタメが好きなんです。46年間、まっすぐにそのエンタメをやっているエネルギーに大きなリスペクトがあります。見に行くたびにエネルギーを感じて、自分だったらあのシーンはどう演じるだろうと考えてしまうんです。そうして、自分も劇団☆新感線にまた出たいんだなと、再確認してきました。それと同時に、舞台で活躍されている方に比べて、僕はまだまだ、舞台経験が少ないので、いろいろな学びをいただいているのだと思います。これまで、全力で劇団☆新感線の作品に向き合ってきたので、そこに演じることの意味があるのだと思いますし、そうした経験に魅力を感じているのかなと思います。

そうして演じた先でどんなものを得られましたか。

宮野 舞台では、3時間、4時間ぶっ通しで、その人の人生を生きます。全力で生きて表現をするすばらしさ、命の輝きをリアルに感じることが、役者としての勉強にもなりました。

神山さんはいかがですか。

神山 マモちゃんも言っていましたが、新感線にしかないエンタメがあると思います。だからこそ、見ていてワクワクするし、公演時間の長さも感じないほどの没入感がある。僕は、(WEST.の)メンバーに「質のいい中二病」と言われるんですよ(笑)。チャンバラやヤンキーが好きなんです。

宮野 それは劇団☆新感線に詰まっていますね。

神山 そうなんです。僕の好きが詰まっているんです。だから、どっぷりハマるのだと思います。今回も出演が決まってめちゃくちゃうれしかったです。

お二人は初共演ということですが、すでに「マモちゃん」「神ちゃん」と呼び合っているのですね。製作発表で、宮野さんから「もっと距離をつめたい」というお話もありましたが、これからどんなコミュニケーションを取っていきたいですか。

宮野 まだいのうえさんの振り付けを覚えることに終始しているので、これから役や芝居のお話ができるのかなと思います。神ちゃんが演じる新田一は、本当にチャーミングなので、その新田一と稽古場で顔を合わせてお芝居できるシーンが楽しみです。バディではないので、相談するというよりは、お互いの役の深め合いができたらいいなと思います。僕はお芝居のことを話すのが好きなので、そうしたお話がしていけたらいいですね。

神山 お芝居のことはもちろんですが、お芝居とは全く関係ないところでも、マモちゃんとたくさんお話ししたいです。それはマモちゃんだけでなく、カンパニーの皆さんもそうです。僕は、お互いの関係値が芝居にも出ると思うんですよ。「初めまして」の空気をなくしていくことが大事だと思うので、まずはご飯に行きたい(笑)。フランクに話して、仲を深めていけるというのも舞台の良さだと思うので、このカンパニーをより強固にしていきたいと思っています。

黒ダイヤ歌劇団のトップ争いに端を発した物語にちなんで、これだけは負けないと思っていることは?

宮野 求めている答えとは違うかもしれませんが、僕は「気にしい」なところです。

確かに、宮野さんは気遣いの人だと思います。

宮野 それもそこからきているのかもしれない。どう思われているのかなと、すごく気にしてしまうんです。それは自分にとっては欠点だと思いますが、でも同時に、それが今の自分を形成しているのかなとか、自分のハングリー精神につながっているのかなとも思います。この仕事をしているからこそ、そうやってポジティブに変換できますが、自分自身では、あまり気持ちが良いことではないんです。「気にしい」なことも気になっちゃう。神ちゃんは、どうですか?

神山 そうですねぇ…。

宮野 身体能力とか? 振り付けもやっていらっしゃって、アクロバットもできる。その片りんが立ち稽古でも見えていて、すごいなと思ったんですよね。

神山 でも、球技が苦手なんですよ。バッティングセンターに行っても全然打てないし、サッカーのリフティングもできない。自分の体を使うのは得意なんですが、道具を使って何かするのは苦手なんです。

宮野 意外ですね。

神山 多分、動体視力がないんだと思います。あと、僕は泳げないです。超カナヅチです。水が苦手だし、沈んでいっちゃう。だから、身体能力はどうなんだろうと。得意なことは得意なんですが…。これだけは負けないということだと、甘いもの好きということかな。永遠に食べていられます。メンバーの中でも、多分、僕くらいだと思います、甘いものをずっと食べているのは。いつもキャラを作っていると言われますが、全くそんなことない。本当に好きで、食べ続けているんです(笑)!

(取材・文・写真/嶋田真己)

 2026年劇団☆新感線46周年興行・夏公演 SHINKANSEN☆RSP 怪奇骨董音楽劇「アケチコ!~蒸気の黒ダイヤ、あるいは狂気の島~」は、6月12日(金)~7月12日(日)にEX THEATER ARIAKE(東京ドリームパーク内)ほか、福岡、大阪で上演。

2026年劇団☆新感線46周年興行・夏公演 SHINKANSEN☆RSP 怪奇骨董音楽劇「アケチコ!~蒸気の黒ダイヤ、あるいは狂気の島~」