東京都心から約160キロ南の新島と式根島からなる新島村。東京からは高速船で約2時間半、飛行機では約35分で行くことができる。明日葉やアカイカが名産の新島村による、食の体験型キャンペーン「AMORE!新島~コーガ石が導いた新島食材と巡る南イタリアへの旅~」が8月31日までイタリア料理店「EATALY(イータリー)」の5店舗で開催されている。キャンペーンを前に、イータリー銀座店で試食会が開かれ、参加者は新島村の食材を使った料理を堪能した。
▽きっかけはコーガ石
新島村では世界でも珍しいコーガ石が産出されており、渋谷駅のモヤイ像や新島村の建築物、新島ガラスの原料としても使用されている。コーガ石は新島とイタリアのリパリ島でのみ産出されていることがきっかけで開催が決まった今回のキャンペーン。新島村の大沼弘一村長は「コーガ石を接点に観光PRができないかと考えた。コーガ石がつなぐ関係性をお楽しみいただきたい」と、今回のキャンペーンのポイントを話した。
▽新島村の食材でイタリア料理を堪能
前菜の盛り合わせ「アンティパストミスト新島」に使用されている皿は、本キャンペーンのために作った特注ガラス食器。コーガ石を熱し、溶かして作った器。新島村の野菜を使ったカポナータや新島焼酎麹(こうじ)で発酵させたサラミを、コーガ石でできたオリーブ色のきれいな器で食べれば、視覚も味覚も新島村に訪れたような気分になる。
「新島産アカイカと夏野菜のフリット」に使われるアカイカ(ケンサキイカ)はイカの女王ともよばれており、新島村の人々からも愛されているなじみ深い食材。柔らかく甘みがあるアカイカをイタリアの定番料理であるフリットにすることで、シチリアの白ワインとも相性抜群。熱々のフリットと冷たい白ワインをゆっくり楽しんでみてほしい。
イタリアではパスタに葉ものを練り込む文化がある。「新島産明日葉のタリアテッレ」は明日葉を練りこんだ麺と、魚介のボンゴレソースを和えた一品。イータリーの渾川駒子さんは「明日葉は海の近くに育つ植物。ボンゴレの魚介のソースが合うと思い試作をしたところ、ほのかな明日葉の風味とボンゴレソースの相性がとても良かった。アクセントにトマトを添えて料理が完成した」とメニュー開発の経緯を語った。明日葉の風味とボンゴレのうまみを堪能してほしい。
デザートには、イタリアの伝統的なスイーツであるカンノーリ、マリトッツォ、ジェラートが用意された。どれもコーガ石でできた塩釡で新島のきれいな海水を結晶化させた「しおさいの塩」が使われている。しおさいの塩はどのスイーツとも相性が良く、一口食べれば新島村のきれいな海が思い浮かぶ。特に夏の暑い日にはぴったりのスイーツだ。
新島産の食材を活用したコース料理を「イータリー」国内全5店舗(銀座店、湘南店、原宿店、丸の内店、日本橋店)で楽しむことができる。一部店舗では提供していないメニューもある。
大沼村長は「みなさんに料理を召し上がってもらうことで、新島村に興味を持っていただき、ぜひ島に訪れてほしい」とキャンペーンへの思いを語った。