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「第3の聴覚経路」で窓口対応 軟骨伝導イヤホンを導入 城南信用金庫

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城南信用金庫(本店・東京都品川区、川本恭治理事長)が事務局を務める「よい仕事おこしフェア実行委員会」と奈良県立医科大学は、医学知識や技術を生かし、地域経済の活性化や中小企業の支援に協力して取り組む包括連携協定を結んでいる。

今回、「軟骨伝導」を活用した、高齢者など耳の聞こえづらい方のための「窓口用軟骨伝導聴覚補助イヤホン」が城南信用金庫店舗へ設置されることが決まり、4月26日に同金庫の本店でイヤホンのデモンストレーションが行われた。

窓口でのデモンストレーションの様子

軟骨伝導は「気導(従来の聴こえ)」とも「骨伝導」とも異なる「第3の聴覚経路」と呼ばれている。耳の軟骨へ振動を与えることで音を伝えることができ、イヤホン本体を軽く耳に接触させるだけで、アクリル板越しの相手の声でもはっきりと聞きとることができる。イヤホンが耳を完全に防ぐことはないため、外部音の聞き取りに影響はなく、振動によって伝わるため音漏れの心配はなく、プライバシーも守られる。

軟骨伝導を発見した奈良医大の細井裕司学長は「日本でも世界的にも今回のようなサービスはないと思う。画期的なこと」と話した。

軟骨伝導について説明する奈良医大の細井学長

窓口用軟骨伝導聴覚補助イヤホンは、城南信用金庫と奈良中央信用金庫の一部店舗に設置されている。今後は城南信用金庫の全店舗へ順次展開していく予定。

城南信用金庫の川本理事長は「いずれはすべての金融機関や役所などのいろいろな方が集まるところに設置していただきたい。今回をきっかけに設置が広がっていけば、難聴の方の助けになるのではないか」と語った。