産業ガス大手のエア・ウォーター(大阪市)は7日、大阪府堺市の堺事業所内で新たな「グローバルエンジニアリングセンター」を稼働する。大阪府内3カ所に分散していた開発やプラントの設計、メンテナンスなどの機能を1カ所に集約して競争力を高め、インド・北米向けや国内の半導体分野で拡大している産業ガス需要に対応する。

松林良祐社長は3日に行われた発表会で、「全てを(一つの場所に)集めてシナジーを出し、国際競争力を上げて、海外展開にしっかり貢献できるようにする」と説明。主力の空気分離装置などプラント設備の出荷先は現在、半導体分野などの国内向けが大半を占めるが、インドを含むアジア、北米向けの大幅増を見込む。特にインドでは経済成長と人口増加に伴い、高炉など粗鋼生産施設での産業ガス需要が伸びており、案件あたりの規模も大きい。松林社長は、海外出荷分の全体に占める割合が、最大50%まで伸びる可能性もあるとした。

約60億円を投じて建設したセンターは、地上6階建て、延べ床面積が6000平方メートルの事務所棟と、5655平方メートルのプラント製作工場などからなる。事務棟には遠隔監視・支援センターを設け、海外を含む産業ガスプラント約150設備の運転状況を24時間連続監視できる体制を整えた。現地のプラントに不具合があった場合の担当者の連携や対応を迅速化し、安定したガス供給と設備の維持につなげる。

プラント製作工場は既存施設を増築し、製造能力を2倍に増強。5月から稼働する。これに伴い、敷地内に海上クレーンが係留できる設備を自前で設け、大型の装置を海上輸送できるようにした。これまでは陸上輸送できないサイズの装置は一部を現地で組み立てていたが、出荷前に完成させられるようになる。