「Empower Japan 停滞する日本を復活させる。」を企業理念に7つの事業を展開し、急成長している株式会社CopiaのCEO石川正和さんとHRマネージャーの高嶋恵美さんの対談をお届けします。

▼決める力を、任せる覚悟。Copiaがつくる“成長を仕掛ける組織”
——まずは株式会社Copiaについてどんな文化なのか教えていただけますか?
石川:Copiaでは、年齢や性別にかかわらず、すべてのメンバーがフラットに挑戦し、活躍できる組織づくりを意識しています。私自身、サイバーエージェントやボストン コンサルティング グループ(BCG)に在籍していた際、年齢にかかわらず責任ある役割を任される文化に触れ、その環境がもたらす成長機会と信頼の連鎖を強く実感しました。
創業当初は、その延長線上として実力主義を掲げ「若くして実力を発揮できる場」を提供することに重きを置いていました。
しかし、実際に経営の現場に身を置く中で見えてきたのは、必ずしも“実力ある人材”が最初から存在するわけではないという現実でした。むしろ、そうした人材を生み出し、育てるための組織的基盤を整備することこそが、持続的に強い組織をつくる上で不可欠であると痛感するようになりました。
実力を「前提」とするのではなく、実力が「育まれる」仕組みをどう設計するか。その視点を持ったとき、年齢や性別といった属性にとらわれず、誰もが対等に挑戦できる組織を作り続けたいと考えています。
——そのためにはどのような工夫をされているのでしょうか?
石川:僕は「成長=意思決定の数」だと考えていて、どれだけの意思決定をしたかが自身の成長につながると思っています。だから、Copiaでは意思決定の機会をどんどん渡す。それによって責任も伴いますが、思考する時間を重ねることで実力がついていくと信じています。
▼挫折が転機に。20代をどう生きるかで、30代の自由は決まる

——石川さんご自身、20代は“力がつく環境に身を置く”をまさに実践されてきて、若いうちから頑張ることの重要性についてどうお考えですか?
石川:20代は、本当にがむしゃらに頑張っていたなっていう感覚があって。一番忙しい時は、時代背景もありますが、週に100時間ぐらい働いていましたね(笑)。大変だしつらいこともあったけれど、その頑張った経験が30代以降の自分自身の選択肢を増やすことにつながったなと感じています。努力して結果を出していくと、周りから信頼されて、仕事を任される。それも頑張るとまた選ばれて任せてもらえる。他の人ができない経験もどんどんさせてもらえます。結果、やりがいと裁量を持った自由な働き方を選択することができる場所にたどり着く、といういい循環が生まれます。
——サイバーエージェントへの入社時はエンジニアで、そこから営業への転向。その決断は?
石川:エンジニアをやっている中で、周囲があまりにも優秀すぎて劣等感を感じてしまったんです。同じ部署の同期たちとの食事中に、アイデアが思いついたらすぐにPC取り出して無心でコードを書き始めるような(笑)本当にエンジニアリングが大好きな同期といると「ここで一番になるのは無理だ」と、入社1年目で早々に挫折を経験しました。でもそこで諦めるのではなく、“自分なりの戦い方”を見つけようと思えたことが、むしろ転機でした。元々「社長になる」という目標があり、どこかで営業経験を積むべきだと思っていたため、そこから転向し、新規事業の営業責任者など色々チャレンジさせてもらいました。その後、今度は体系的に経営を学びたいと感じ、コンサルティング業界に身を置きました。目の前の壁を登ることで次にいくべき場所が見える、そんな形で今に至っています。
▼裁量があるから、両立できる。キャリアも育児も諦めない選択基準とは

——高嶋さんは仕事と子育てを管理職という立場で両立されていますよね。裁量を持って働くことの魅力や覚悟をどう捉えていますか?
高嶋:正直、両立できるという感覚がこれまでなかったんです。時代は間違いなく変化していますが、どちらも両立して楽しめているような先輩が身近におらず、どちらかを犠牲にしなければならない印象がありました。だからこそ、「裁量を持って働きながら子育てもする」というイメージが湧かない人が、まだまだ多いのではないかと思っています。
Copiaに入社する前は、中途半端に仕事をすることになるくらいであればいっそのことキャリアを断つことも考えました。でも、実際に入社し、どんなライフイベントがあったとしても自分らしく働いていく道はあるんだと感じられるようになりました。今はHRマネージャーとして結果を出すことにこだわりながら、子供のお迎えの16時で一旦仕事を切り上げ、また夜に自分のペースで仕事を再開するなど、両立しやすい環境です。(※高嶋さんの1日密着動画を公開中)
また、「裁量を持つ覚悟」について感じるのは、自分一人で何かを成し遂げるのは本当に難しいことだということ。でも、同じ方向に向かって走る仲間と互いに補完し合うことで、大きな目標を達成できる。特に30代を迎えるにあたり、自分がチームを率いる立場にいるか、結果を出し周囲から信頼を得ることができているかというのは、自身の働き方の自由度に直結すると思います。ライフイベントを迎えて働き方が変わるからこそ、むしろ裁量を持つことがより重要になる。そして、それは特に女性にこそ、持っていてほしい感覚だと思っています。