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平均11時間勤務、9割が隠れ残業 やはり過酷だった、教員の勤務実態調査

 

 学校教育の現場は、未来を担う子どもたちを育てる大切な場所。そこで働く教員は、主役の子どもたちと一緒に未来を創っていると言っても過言ではない。だが、長く言われてきたことだが、相変わらずその勤務の実態はかなり厳しい。教員向けWebメディア「みんなの教育技術」(小学館・東京)が実施したアンケート調査では、平均の勤務時間は11時間、9割が隠れ残業をしており、法定の勤務時間を上回る勤務が常態化しているようだ。

 調査は全国47都道府県の教育関係者5412人に、5月20日~6月30日に実施。うち5181人が現役教員であることを明示している。勤務時間については、8割を超える教員が10時間以上の勤務、4人に1人が12時間を超えて勤務している。平均値は11.17時間。1日に取得できている休憩時間については、「ほとんどとれない」という人が65.6%(3522人)で、これに「15分未満」を加えると、約85%の人がまともな休憩を取れていない状態。労働基準法が定める45分以上の休憩時間を確保できているのは、全体の1.5%だった。

 また、半数以上が週3日以上の持ち帰り残業を行っている。学校では集中できず持ち帰らざるを得ない、家庭の事情で早く帰らなくてはならないが、仕事が終わらないのでやらざるを得ない、という声が多かった。持ち帰り残業も休日勤務も「ほとんどない」と答えたのは401人にとどまり、 回答者の約9割は休日にも業務を行っていた。

 「寝る、入浴以外の時間はすべて仕事しているのに、授業準備などが間に合わないため毎日すべてがつらい。部活動の顧問になったがずっと見ることができる時間的余裕もない、など、すべてが中途半端になる。土日=休日という概念が存在しないくらい仕事が多い」など、過酷な実態が改めて浮き彫りになっている。