日本経済の先行きを考える上で、その行方が注目されていた相互関税、いわゆるトランプ関税の税率は、当初、米国側が提示していた24%から引き下げられて15%で決着した。これによって特に輸出企業の関係者はホッとしたと思われる。そうした中、帝国データバンク(東京)は、全国の2万6196社を対象に2025年7月の国内景気動向を調査・集計し、景気DIとして発表した。有効回答企業1万626社(回答率40.6%)で、調査期間は7月17日~7月31日。
2025年7月の景気DIは前月比0.1ポイント増の42.8。小幅ながら2カ月連続で改善した。国内景気は、個人消費には依然弱さが残るものの、自動車を中心とした製造業の生産回復がけん引し、わずかだが上向き傾向が続いた。帝国データバンクによると、今後の国内景気は関税措置の不確実性が後退し、横ばい傾向で推移すると見込まれるという。
業種別では、建設など4業界で改善、農・林・水産など5業界で悪化し、サービス業界は横ばい。ものづくり関連の業種を中心に景気を押し上げた。規模別では「大企業」と「中小企業」が改善したが、「小規模企業」は悪化した。地域別では10地域中7地域が改善、観光需要や地域特有の建設需要がプラス材料となっている。
一方、猛暑により企業からは客足鈍化を危惧する声が多数寄せられる一方、エアコン設置など季節需要をつかむ企業も表れた。