カレーライス物価が最高値を更新、1食364円に 米の値上がりが影響し、過去10年で初の360円突破

　物価が高い、低いという時の指標はいろいろあるけれど、これは、「カレーライス」というニッポンの国民食ともいえる人気メニューを元にした分かりやすい指標。帝国データバンク(東京)の独自の試算・分析で、9月は1食364円と6カ月連続で最高値を更新した。

　ニンジン、ジャガイモ、タマネギ、輸入の牛肉、米はコシヒカリ(1食200g換算)、市販のカレールーと食用油で調理する場合。総務省「小売物価統計」から、食材や電気・ガス代など水道光熱費の全国平均価格を基に、それぞれの分量や各調理工程の分あたりエネルギー使用量を配分し、算出している。

　360円を突破したのは過去10年で初めて。1年前の2023年9月(307円)から57円の上昇。野菜を中心としたカレー具材の価格が落ち着きつつある一方で、コメ価格高騰の影響を受けたことが、コスト上昇の原因だ。

　カレーライス物価を構成する費用の内訳をみると、最も費用が高いのが全体の約6割を占める「カレー具材(肉・野菜)」で、前年同月から16円増の205円。輸入牛肉の価格は円安を背景に上昇が続いたものの、ジャガイモなど野菜類の価格は年内のピーク時から下落基調。他方で、“ライス”の価格は131円と前年同月(90円)から41円の大幅増。炊飯器での炊飯やガス調理などの「水道光熱費」(3円→4円)は1円増、カレールー(25円)には価格変動がなかった。ちなみに10月のカレーライス物価は、1食380円に到達することが予想されている。