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「のどが渇いたよ~」と植物が語りかける未来へ 植物発電で植物との対話実験

 部屋に小さな鉢植えを置いて花や緑のある生活にしてみたい、と思いつつ、水やりや肥料などのケアを怠って挫折するという人は少なくないだろう。でも、もし植物が「のどがかわいた~」と言葉を発したとしたら、これは結構かわいいし、間違いなく水やりもするのでは!? そんな植物の声を可視化し、自然との対話を目指す実証実験が始まっている。グリーンディスプレイ(東京)が、清水建設が開設した「温故創新の森 NOVARE(ノヴァーレ)」で実施している取り組みだ。

 植物の力で発電する未来の自然再生エネルギー「botanical light(ボタニカルライト)」を活用。土壌の水分量計測センサーと無線ネットワーク機器を稼働させ、たとえば植物が水を必要とする状態を「植物の声」としてクラウド上にデータ送信することで、植物と人との対話を目指している。連続計測が可能な水分センサーを用いて水不足や過水の状態を「のどが渇いたよ」「お腹がすいたよ」という言語に変換して発信するという仕組み。

 植物発電は、植物と共存する微生物が生命活動を行う際に土や水の中で放出される電子を利用する。植物が育つ土壌や水辺に電極を設置するだけで、電源がなくても、植物が元気に育つ環境があれば電力を得ることができる。

 植物の声に耳を傾け、その状態を理解することで、自然環境への意識を高めたり、ストレスの軽減やリラクゼーションにつながったり。農業の分野でも、植物の成長状態や必要な栄養素を正確に把握できれば、より効率的な農業が実現可能になると期待されている。