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Monotypeの書体「Shorai Sans」が「D&AD Awards」で 受賞 何も足さない「素」のかたちをテーマした日本語フォント

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Monotype 「Shorai Sans」

 

 オンデマンドフォント配信サービスを行うMonotype Imaging Inc.(米・マサチューセッツ州 )の日本法人Monotype(東京都千代田区)は、同社が開発した日本語書体「Shorai Sans(ショウライ・サンズ)」が、国際的なデザイン・広告賞「D&AD Awards 2023」のType Design & Letteringカテゴリーで、Wood Pencilを受賞したと発表した。

 「D&AD Awards」は、デザインと広告の国際アワードで、イギリスの非営利団体D&AD (British Design & Art Direction)が1962年に創設した。

 受賞した「Shorai Sans」は、「何も足さない『素』のかたち」をテーマにした、幾何学的でシンプルな美しさと読みやすさが特徴の日本語書体。付属欧文には、和文に合わせてサイズや位置を調整した書体「Avenir Next」を採用し、Shorai Sans単体でも美しく読みやすいテキストを組むことができるとしている。また、書体の太さは、超極太から極細までの10種類で、最も太いウェイト(Heavy)では、複雑な輪郭線を整理し、Monotype初の超極太の日本語書体を実現した。

 さらに通常の単体ウェイトに加えて、文字の太さや幅などをユーザー側で自由に調整できるバリアブルフォントを採用。ウェイト間の太さも調整できるので映像などのスクリーン上で動きのある文字表現も可能だという。

 書体のデザイン開発は、同社の小林章氏、土井遼太氏に加え、フォントデザインの第一人者の中村征宏氏がチームに参加した。このほか香港、ドイツオフィスの書体デザイナーとエンジニアが加わった多国籍メンバーで開発が進められた。書体名は「松籟(しょうらい)」に由来。松の葉を吹き抜ける風の音、茶道では茶釜の湯がたぎる音を意味するという。

 「Shorai Sans」は、同社のサブスクリプション(年間定額)サービスで利用できるほか、1ウェイト179ドル、ファミリーパックは999ドルで販売している。見本帳と「Shorai Sans Heavy」は同社ウェブサイトから無料でダウンロードできる。