大政奉還150周年を機に幕末~明治をリアルに感じよう! 初公開写真も多数の「幕末維新写真展」開催

0001 「坂本龍馬って遠くを見つめていて、やっぱり夢見がちな理想家っぽいね」「木戸孝允(桂小五郎)はキビシイ体育の先生みたい」「勝海舟って意外に気弱で神経質な感じ」・・・・・・。こんなふうに歴史上の人物を自分の目で見て感想を言い合えるのは、写真が残されているからだ。写真の登場によって、日本の歴史はよりリアリティーを伴ったものになったといえるだろう。

 日本に初めて写真機材が持ち込まれたのは1843年。その4年前にフランスで発明された銀板写真がオランダ船によって長崎に入ってきたのだ。そして、銀板写真より安価で1枚のネガから何枚もプリントできるという利点を持ったガラス湿板写真が1851年にイギリスで発明され、早くも安政(1854年-1860年)の初めには日本に輸入されている。それとともに写真技術を習得する者も少しずつ増えていく。折しも日本は幕末から明治。ドラスチックに大転換を遂げた激動の時代だ。写真の登場は、変わりゆく日本の姿や小説・映画・ドラマでおなじみの歴史上の人物を、しっかりと後世に残していくことになった。

 そんな時代の貴重な写真の数々を自分の目で確かめられる「幕末維新写真展」が、4月25日(火)から5月21日(日)まで、宿毛市立宿毛歴史館(高知県宿毛市)で開かれる。幕末から明治にかけて撮影された本物のガラス湿板写真を中心に、当時発行された歌舞伎絵や肖像画、そして当時使われていたカメラなどが展示されるという。しかも、その多くは日本初公開というから、これは歴史好き、写真好きならずとも注目である。明治天皇・皇后、坂本龍馬、勝海舟、後藤象二郎、五代尾上菊五郎ら、幕末から維新にかけて活躍した多数の有名人に加え、当時の家族写真などもあるので、あの時代をリアルに感じることができるはずだ。

0001 (1) この写真展は、高知県が大政奉還150年、明治維新150年を記念して開催中の観光博覧会「志国高知 幕末維新博」の特別巡回展になる。今年度夏以降も、「志国高知 幕末維新博」の地域会場で巡回していくが、展示内容や規模は開催場所によって変わるという。

 5月3日(水・祝)から5月7日(日)の期間には、当時のカメラを使った「ガラス湿板写真撮影体験」や、幕末の志士の写真を当時に近い技法で焼き付けできる「鶏卵紙焼き付け体験」ワークショップなども予定されている。ゴールデンウイークに家族で出かければ、旅の思い出を古風な写真に焼き付けたり、自由研究の材料にしたりと、有意義な体験ができそうだ。