桜の開花が近づくと同時に、イースター商戦がにぎやかになってきた。欧米では春の訪れを喜び合う祝祭として定着しているイースターだが、日本では、東京ディズニーランドのイベントやお菓子のイースター限定商品に見られるように、クリスマスやハロウィーンに次ぐ、人気イベントになりつつある。“輸入”歳事の由来や意義は脇に置き、とにかく楽しく過ごせるイベントとして取り入れ、付加価値をつけていく“柔軟頭“は、ニッポン人の長所の一つだ。食品業界の牽引役として市場を盛り上げてきたロッテでは、一昨年のイースターから全国の幼稚園や保育所に、「お宝おかしさがし」のキットを無料で配り、季節の遊びを提案してきた。3年目の今年は加えて、父親向けのイースター講座も開講するという。
なぜ「お宝おかしさがし」?という疑問には、イースターの説明が必要だろう。キリスト教ではクリスマスより大きな祝祭で、キリストの復活を祝う日で、今年は3月27日(日)だ。「春分の日の後、最初の満月の翌日曜」という移動祝祭日だが、だいたい3月末から4月にかけてだから、寒くて暗い冬を過ごす北半球のキリスト教国では、イースターといえば、「春の訪れを祝う」と同義。イースター前の「四旬節」と呼ばれる期間は、食事を節制することになっていて、この期間が明けてイースターがやってくると、春の喜びとあいまって、食卓には“ご馳走”が並ぶことになる。イースター商戦できれいに飾られた卵が並ぶのは、卵が“復活”と新しい命の象徴だから。きれいに飾った卵を庭先のあちこちに隠して、これを探す行事は、毎年この時期の子供たちのお楽しみなのだ。
そこでロッテが考えたのが、この卵探し(エッグハント)の進化版、「お宝おかしさがし」。卵に代えて、子供たちが大好きなお菓子を家の中や庭にたくさん隠して探し出す遊びだ。今年は全国100カ所、約1万人の園児たちを対象に、卵形のカプセルなどが入った無料キットを配布したという。
ところで、家ではみんなどんなことをしているのだろう? ロッテが、子供をもつパパ、ママたち300人に行った調査では、3人に1人が「イースターに興味あり」と回答したものの、イースターにやりたいことを聞くと、第1位は「何をしたらいいかわからない」だった。僅差で第2位が「ホームパーティー」、第3位が「子どもが喜ぶグッズを作る」「イースターエッグを作る」と続いている。(イースターにかかわらず)家族や子どもとやりたい歳事イベントとして、ホームパーティーを挙げたパパも多かった(46.7%)。そのほか、家事、育児に今まで以上に関わりたいと思っている父親は、ここ9年ずっと増加傾向にあるというデータもある(ベネッセホールディングス)。ということは、今年はパパ主催でイースターパーティーなんてよさそうだ。
とはいえ、何をしたらいいか分からない!という悩めるパパのために、「お父さんがヒーローになる!イースター攻略講座」が行われた。生涯学習の機会を提供するシブヤ大学とロッテがコラボして、父親向けに開いた特別授業だ。テーブルコーデやお菓子を使ったアレンジ料理や、ホームパーティーについて学んだという。
どんどん増えていく季節の行事、イースターをきっかけにパパ活躍の場を増やすのもいいかもしれない。