カルチャー

東京駅前で楽しみながら米作り学ぶ 児童が体験型学習施設「米ギャラリー」見学

トラクターの前で記念撮影する見学児童=東京都中央区のヤンマー米ギャラリー

 東京都中央区立京橋築地小の5年生38人が7月10日、東京駅前の体験型学習施設「ヤンマー米ギャラリー」(東京都中央区)を見学し、講師役を務めた上地由朗・東京農大教授に米の品種を質問したり、楽しみながら米の栽培方法を学べるゲームをしたりして、米作りへの理解を深めた。

 見学は、米作りを学ぶ授業「総合的な学習」の一環。田植えを体験するなどして多角的に学習を進めている児童の米作りへの理解をさらに深めてもらうことが狙い。児童を引率した幸地裕助教諭は「子どもたちのお米への関心をさらに高める機会として見学を企画した」と話す。

 上地教授への質問では、米の種類・品種や米の年間生産量、収穫量を増やす方法など、児童のこれまでの学習成果を反映して幅広いテーマが挙がった。上地教授は用意したスライドを示しながら、「米の種類はジャポニカ種(日本型)・インディカ種(インド型)・ジャバニカ種(ジャワ型)や、赤米・黒米・緑米があり、米の品種(登録数)は2018年が560だったが、23年は992に増えた」「20年の米の全国生産量は約776トン。日本人の年間消費量より少し多いぐらい」などと、かみ砕いて分かりやすく回答した。

質問に答える上地由朗・東京農大教授(右端)

 上地教授は「ヤンマー米ギャラリーのような民間企業の取り組みは社会にとってとても重要だ。子どもたちが将来、どんな職業に就くにせよ、米作りについて学んだことは何らかの形で役立つはず」と語った。

 上地教授の説明を熱心に聴いていた乾友莉花さんは「(ギャラリーのゲームなど)いろんな体験ができて楽しかった」と満足していた。

 米ギャラリーは、大型タッチパネルなど最新のデジタル技術を活用して米作りを楽しく学んでもらう入館無料の体験型施設としてヤンマーが今年1月開設。土日を中心に家族連れらが訪れ、好評という。テーブル型の大型タッチパネル上にサイコロ型の駒を動かして、米作りの課題と解決方法を学ぶゲームや米作りの歴史を大型画面の動画で振り返る電子掲示板など、興味深く米について学べる工夫をしている。

大型タッチパネルのゲームを楽しむ児童

 また、わらじを編むなどして稲わらを無駄にしなかったコメ農家の知恵をしのばせる趣向も凝らし、稲わらで作った内装材でギャラリー内を飾った。写真撮影スポット用にトラクターも展示している。

 ヤンマーホールディングスブランド部コミュニケーション部の齊藤小夏さんは「皆さん、たくさん質問してくれたので受け入れ側の私たちも手応えがあった。学校の見学を受け入れたのは今回が初めてだが、今後も続けたい」と話した。

 児童は今回の見学で学んだことなどを生かして「未来の農業」をテーマにした絵を描くという。絵は米ギャラリーで今年8月以降に展示される予定。