カルチャー

迫力ある恐竜の世界を再現 東京・六本木で恐竜科学博始まる

世界初公開のエラスモサウルス幼体の標本
世界初公開のエラスモサウルス幼体の標本

 現在の諸大陸はもともと 一つの巨大大陸「パンゲア」 が分裂したものとする「大 陸移動説」を唱えたのはド イツの気象学者ウェーゲナ ー。パンゲア大陸は約 3 億 年前から 1 億数千年前まで 存在したとされる。インド 大陸が分裂を始め、その後、 アフリカ大陸が南北アメリ カ大陸から離れたなどした、 という。
 このパンゲア大陸分裂の 進行の時期には爬虫(はち ゅう)類群の恐竜の発展も あった。パンゲア大陸と恐 竜は共に、人類出現以前の はるか昔に消滅してしまっ たものの、パンゲア大陸は、 ジグソーパズルのように仮に現在の諸大陸をくっつけたら、ぴたりとはまり合うような各大陸沿岸の形状に、恐竜は世界各地で発掘が進む化石などに、存在の痕跡をそれぞれ残している。
 東京ミッドタウン・ホー ル(東京都港区)で 7 月 21 日始まった「DinoScience 恐竜科学博2023@TOKYO MIDTOWN」は、地質時代 区分の白亜紀(約 1 億 4500 万年~6600 万年前)後期の 北アメリカ大陸に存在した 恐竜たちの姿を、多彩な骨 格標本と最新の映像技術で 生き生きと教えてくれる催 しだ。

海の王者モササウルスの 標本
海の王者モササウルスの
標本

 全体を 7 つのゾーンに分 け、各ゾーンごとにテーマ を設けている。注目を集め そうなのが「白亜紀アクア リウム」と題した第 4 ゾー ン。海の王者モササウルス が支配する海の中を再現し た。目玉は世界初公開とい うエラスモサウルスの子ど も(幼体)の標本。餌の魚を襲う姿を再現している。

ティラノサウルス「スタン」 の標本
ティラノサウルス「スタン」 の標本

 第 7 ゾーンは、くっきり した皮膚跡が残る皮膚化石 も見つかったトリケラトプ ス「レイン」の標本と、恐 竜の中ではよく知られてい るティラノサウルス「スタン」の標本を対峙(たいじ) する形態で展示した。

トリケラトプス「レイン」の標本
トリケラトプス「レイン」の標本

 トリケラトプスは断片的な化石の発見が多いが、レインの標本はほぼまとまった骨格の化石で再現したもので、ほぼ完全な形の全身骨格標本という。レインとスタンの姿は骨組みだけだが、それぞれにらみ合う巨大なレインとスタンの闘う躍動が伝わってくるような迫力がある。

「未命名の鳥類」の標本
「未命名の鳥類」の標本

 そのほか「未命名の鳥類」の標本も展示されており、恐竜群の多様さが分かる展示内容となっている。声優らがガイド役を務める「音響ガイド」を利用すれば、これら内容盛りだくさんの展示を楽しく鑑賞できる。恐竜科学博は 9 月 12 日 まで開催。入場チケットは 平日通常、一般 3000 円(子 ども 1600 円、中高生 2200 円)。土日祝限定や夜間限定 のチケットもある。詳細は 恐竜科学博ホームページ。