ポイントプログラム事業を手がけるポイント機構(東京都港区)は、2023年秋にサービス開始を予定している「A-GEL(エージェル)ポイント」について、仕組みを説明するためのPR動画をユーチューブで公開した。
通常、全国共通ポイントは、消費者が1ポイントを1円として使うことができるが、ポイントを発行する加盟店は、1ポイントを付与するために、初期費用や月額費、ポイント発行手数料、システム使用料などのコストに加え、ポイント事業者の利益分も負担し、合わせて約4円をポイント事業者に支払っているという。また、加盟店はポイントが使われても使われなくても支払いが発生し、有効期限が過ぎて使われなかったポイント分は、ポイント事業者の利益となっている。
それに対し「エージェルポイント」は、ポイント発行時に加盟店に一連のコストが発生せず、利益も上乗せしない。加盟店は1ポイント発効すると1円の原価だけがかかり、消費者に付与する。発行されたポイントの原価は「応援金」としてポイント機構が加盟店から預かり留保される。ポイントが利用されない限り失効することはない。
また、消費者がポイントを使用した場合、他の全国共通ポイントは、加盟店はポイントで支払われた金額から手数料が差し引かれるが、「エージェルポイント」はポイント利用分を「応援金」から充当するため、加盟店は100%現金として受け取る。そのうえで、消費者がポイントを使って商品を購入したのはポイントのおかげで集客できたという意味で、ポイント機構に集客手数料を支払う。この集客手数料は、ポイント機構とポイントを発行した加盟店が折半で分け、これがポイント機構の売り上げとなり、ポイントを発行した加盟店には謝礼金として戻りポイント発行時の負担が軽減することになる。
さらに「エージェルポイント」は、①家族や友人にポイントの譲渡ができる②交通系IC、流通系ICにも付与できる―などの特徴もあり、循環型ポイントシステムとしてビジネス特許を取得した。
ポイント機構は「この新サービスを通じて、ユーザーと加盟店と社会にメリットをもたらすだけでなく、消費の活性化で社会課題の解決を目指す」と意気込んでいる。