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アール・デコと庭園芸術 東京都庭園美術館で装飾の庭を楽しむ

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 庭園芸術をじっくり楽しむ機会はなかなかない。しかもアール・デコの時代となると貴重な展覧会だ。「装飾の庭 朝香宮邸のアール・デコと庭園芸術」が東京都庭園美術館(東京都歴史文化財団・東京)で9月23日から12月10日まで開催される。アール・デコ時代の庭園芸術を特集する日本で初めての展覧会だ。

 東京都庭園美術館は、1933年、東京・白金の御料地の一部を敷地として建てられた朝香宮邸。約一万坪の敷地の庭園部分には、広々とした芝生が広がり、日本庭園、盆栽、ツルやクジャクもいたという。邸宅内の壁面には、遠景に山々を望む森林や水をたたえた庭園の風景が描かれており、室内に居ながらにして自然の中にいるかのような装飾がなされていた。手がけたのは、フランス人装飾美術家アンリ・ラパン(1873–1939)。展覧会では、アンリ・ラパンのこの装飾プランの成立背景を知ることができる。

 また、両大戦間期のフランスの近代庭園を巡る動向に着目し、古典主義・エキゾティシズム・キュビスム的要素を取り入れていった様子を、絵画や彫刻、工芸、版画、写真、文献資料など約120点の作品から紹介している。入館料は一般1400円、大学生(専修・各種専門学校含む)1120円、中・高校生/65歳以上700円。小学生以下および都内在住在学の中学生や、身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳を持っている人とその介護者2人は無料。

ガブリエル・ゲヴレキアン 「水と光の庭園」『1925年 庭園』1926年 東京都庭園美術館蔵
ガブリエル・ゲヴレキアン 「水と光の庭園」『1925年 庭園』1926年 東京都庭園美術館蔵