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恩田陸『いのちのパレード』 文庫新装版&電子書籍 10月6日にリリース

 

『いのちのパレード 新装版』書影
『いのちのパレード 新装版』書影

 短編の名手としても定評がある作家・恩田陸氏の著書『いのちのパレード』。2010年に実業之日本社文庫の創刊ラインアップとして刊行され、ホラー・SF・ミステリー・ファンタジーなど小説のあらゆるジャンルに“越境”した読者を幻惑する摩訶不思議な作品集として話題になった。同書の文庫新装版(税込み869円、A6判、384ページ) https://www.j-n.co.jp/books/?goods_code=978-4-408-55832-5が、10月6日(金)に刊行される。加えて、初めて制作された同書の電子書籍の配信も同日にスタートする。

 新装版では、旧版の表紙に使用されたジョセフ・クーデルカの写真作品を斬新なデザインで再構成。パッケージの奇想度合いもバージョンアップした“ジャケ買い”必至の一冊。紙版と電子版、好みのスタイルで、恩田氏が描く“壮大×芳醇(ほうじゅん)×クレイジー”な奇想の世界を堪能できる。

 「指や手の形をした巨岩があちこちから生える奇妙な村に、妻と私はやって来た」(「観光旅行」)。「後期ロト7の当籤通知が届いた。まさか、この俺が?」(「当籤者」)。「大人なんだから不用意な発言はやめてほしいよ。だって僕らは…」(「夕飯は七時」)――。読者を幻惑する恩田マジックをとことん堪能できる摩訶不思議な15扁が収められている。

 恩田氏は、「ひそかにとても愛着のある短編集です。これを入口に、めくるめく奇想短編の世界に足を踏み入れてもらえればうれしいです」とのコメントを寄せている。