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「小学生プログラミング大会」アイティフォー賞受賞児童が同社を訪問  社長ら100人余りに作品を説明

アイティフォーの佐藤恒徳社長(右)らに受賞作品を説明した三澤康太郎さん=アイティフォー本社、2024年4月2日

 「2023年度全国選抜小学生プログラミング大会」(全国新聞社事業協議会主催)の全国大会で協賛企業が設けた優秀賞の一つ「アイティフォー賞」を受賞した横浜市の西寺尾第二小4年、三澤康太郎さん(9)が4月2日、東京都千代田区のIT企業アイティフォー本社を訪れた。佐藤恒徳社長をはじめ社員100人余りに、受賞したプログラム作品「数学牢獄からの脱出」の内容を、プログラミング言語を大型画面に示しながら説明し、社員からたくさんの質問も受けた。

 三澤さんは「緊張したけど、たくさんの人に聞いてもらえてよかった。質問もうれしかった」と話した。

大型画面を使いプログラミングの内容を詳しく話す三澤康太郎さん

 受賞作品は数学の各種問題を解いて“牢獄”を抜け出す脱出ゲーム。問題は、n次関数、無理関数、分数関数、指数関数、対数関数、三角関数などに関するもので、自動生成できるようプログラミングしたという。

 三澤さんは「数学が好きになったのは、三角関数を勉強してその成果を取り入れてプログラミングしたら、難しかった3次元(3D)表示をできるようになったことがきっかけ。数学を使うと面白いゲームができる。数学はきっと未来の社会で役に立つ」と大勢の社員を前に語った。プログラミング言語も画面に映し、数学の計算式も含めて詳しく説明した。

 “小さな数学者”の熱のこもった説明を興味深く聞いていた社員からは「将来の職業は」「プログラミングに必要な英語の勉強は」などたくさんの質問が寄せられた。

三澤康太郎さんの説明を聞き拍手を送るアイティフォーの社員

 これらの質問に、三澤さんは「娯楽のゲームではなく、社会の役に立つものを作るプログラマーになりたい」「プログラミングに必要なので英語は勉強している。分からない部分はあるが、コードを書くために必要な部分の英語は分かる」などと答えた。

 この日の訪問に同行した三澤さんの父親である、作曲家三澤康広さんは「小さいころ、楽器に触れさせたがあまり興味は示さなかった。一方、プログラミングは始めるきっかけを与えただけだが、好きになり自分でどんどん学び成長していった。社会の役に立つことは息子にとって、とても格好良いことなので、息子は社会の役に立つものを作るプログラマーを目指している」と語った。

たくさんの数式を書いたTシャツを着て説明に臨んだ三澤康太郎さん

 社員と共に三澤さんの受賞作品の説明を聞いたアイティフォーの佐藤恒徳社長は「私は19歳でNECのノートパソコン9800シリーズ、20歳でファミコンに出会った世代。(三澤さんの作品は)高度な内容で正直びっくりした」と述べ、生まれた時からインターネットやスマートフォンに囲まれて育った、いわゆる「デジタルネイティブ世代」の可能性を再認識しているようだった。

 全国選抜小学生プログラミング大会は小学生が自らプログラミングして制作したアプリやゲーム、ロボットなどの作品を披露する催し。今年3月3日、東京都内で2023年度の全国大会が開かれた。全国大会には1034組の応募の中から、都道府県大会を勝ち抜いた46組が出場。最優秀のグランプリ(文部科学大臣賞)をはじめ、協賛企業の各賞などが授与された。