海外で韓国文化を広め現地での文化交流に力を注いできた韓国文化院。79年の東京に次いで99年に設立された大阪韓国文化院が12月13日、大阪市北区東天満の地上8階建てビルへの移転に伴う式典を行った。
大阪韓国文化院は07年から大阪市北区中崎町の民団大阪本部の建物で活動してきたが、施設不足からコロナ禍中に移転改修プロジェクトを進めていた。新庁舎は以前の5倍の広さとなる約4500平方メートル。1階には常設展示室と企画展示室、2・3階には伝統的な衣食住、映画、K-POPなどの体験施設、4階には蔵書5千冊余りの図書室、5階には料理実習室とダンスやテコンドーなどの体験スタジオ、7・8階には公演や映画上映が行える180席のイベントホールを備える。
式典では、ユ・インチョン文化体育観光部長官がビデオメッセージで日韓の歴史と文化に触れ、「共存の心をもって、両国が力を合わせ共に繁栄を成し遂げられるよう、両国の気運が日ごとに高まることをお助けください」と述べた。テープカットの代わりに、伝統的な祭礼で使用されるソリファを折る儀式を挙行。ソリファとは、木の枝に霜が降りたように見えることからついた名で、細い棒に細く切った紙を貼り付けたものだ。
祝賀公演では、古代の国際交流の姿をイメージした演奏が行われた。日本の琴と新羅に伝わるカヤグム、奈良時代に中国から朝鮮半島を経て伝わったとされる管楽器・笙(しょう)と同楽器の韓国版・笙簧(センファン)の競演、ロックやジャズ、ポップなどの現代音楽と伝統音楽との融合を模索する国楽アーティストのイ・ヒムンが民謡メドレーを歌った。
2025年には日韓国交正常化60周年を迎え、両国のさらなる文化交流が期待されている。