カルチャー

浮世絵版画を通して「猫」をひもとく 横浜・そごう美術館で「ごろごろまるまるネコづくし」

 横浜市のそごう美術館で、浮世絵版画を通して「猫」をひもとく展覧会「Ukiyo-e 猫百科 ごろごろまるまるネコづくし」が始まった。9月2日(火)まで開催されている。

 “ごろごろ”“まるまる”な猫たちが主役の展覧会。大の猫好きだった浮世絵師・歌川国芳をはじめとする、江戸時代・明治時代の絵師たち31人が描いた浮世絵版画 147点を紹介する。浮世絵版画に描かれる猫たちは、爪とぎをしたり、大きくのびをしたりと「猫らしい」姿を見せ、そこからは猫の生き方や歴史、人との暮らしのあり方が見えてくる。体を丸めたり毛づくろいをしたりという猫らしい仕草や、にんまり笑った人間味ある表情、ちょっと怖い化け猫、擬人化されたユーモラスな猫・・・。人間たちを引き付けてやまない、奥深い猫の魅力を楽しもう。

 化け猫や猫又など、「かわいさ」だけではない猫の姿も。擬人化も盛んにされた猫たち。歌舞伎役者に化けたかのような「猫役者絵」、三味線けいこに興じる猫、町で商いをする姿など、さまざまに「猫キャラ化」した町人が描かれた。絵画に表現される変幻自在な猫たちや当時の暮らし、社会の変化を見ることができる。

 関連イベントとして、8月3日(日)には、同展監修者で福島県立美術館学芸員の月本寿彦さんによる講演会「ごろごろまるまる猫絵の不思議」(500円)が、8月10日(日)・11日(月・祝)には粘土で浮世絵の猫を作るワークショップ「ネコ・コネよう!」(参加費2000円)が予定されている。開催日時の詳細は、公式オンラインチケット(e-tix)の購入サイトで確認できる。チケット価格は税込み、定員に達し次第締め切り。別途展覧会入館券が必要。中学生以下を対象に、予約不要・参加費無料のギャラリートークなども用意している。

 そごう美術館の入館料(税込み)は、一般1400円、高校・大学生1200円、中学生以下無料。e-tixでの購入は200円引き。