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お節に欠かせない「丹波黒」出荷最盛期 大粒でふっくら、もっちり、日本農業遺産にも認定されている黒大豆

 お節料理を自宅で作る人にとっては、そろそろ材料集めが始まるころ。兵庫県丹波篠山市では、お正月のお節料理に使われる特産の黒大豆「丹波黒」の収穫・出荷がピークを迎えている。丹波篠山市が発祥の「丹波黒」は、粒が大きく、煮ても皮が破れにくいことで知られており、全国に出荷されている。日本農業遺産にも認定された逸品だ。

 丹波篠山特有の寒暖差のある気候と粘土質の土壌で栽培される「丹波黒」は、世界一とも言われる粒の大きさをはじめ、ふっくら、もっちりした口当たりの良さが特徴で、約2300戸の農家が生産している。その歴史は江戸時代にまでさかのぼり、幕府への献上品としても重宝されてきたという。

 12月に入り収穫・出荷作業は最盛期を迎え、十分に成熟して茶色くなった株を大型のはさみを使って刈り取る作業が市内各所で行われている。刈り取った黒大豆は、しばらく畑で乾燥させて専用の機械で粒を取り出したあと、選別して出荷されるという。

 今年は、夏場の猛暑と少雨の影響で生育に少し遅れがあったものの、ここ最近の冷え込みで熟成が進み、例年どおり甘みの強い、大粒の黒大豆が収穫されている。