靴職人でありながら、アーティストとして革新的な靴アート作品を生み出す三澤則行氏。音楽を題材とした三澤氏のシリーズの6作目「MUSIC Ⅵ ~ホルン~」がこのほど、アメリカの国際デザイン賞「International Design Awards 2025(IDA)」で金賞を受賞した。
同アワードは、世界70カ国以上から応募が集まる国際的なデザイン賞。三澤氏の作品は国際審査員により、デザインの質、明確なビジョン、そして現代デザインへの貢献が高く評価された。
東京・荒川区でアート靴・注文靴の製造‧販売を展開する三澤氏。これまでに、映画監督スパイク・リーをはじめとしたハリウッド映画界や、宮内庁にも製作実績を持ち、ニューヨーク・ロンドン・シンガポ゚ール・パリ、そして今年の11月にはローマでの個展を成功させてきた。
今回金賞に輝いた“ホルンの靴”は、音楽的構造と靴の形態・機能を融合させた作品。管楽器ホルンの曲線や音の通り道に着想を得て、インソールとアウトソールをつなぐウェルト部分を空洞構造とすることで、視覚的な造形だけでなく、楽器の本質的な構造を靴の設計へと落とし込んでいる。素材には、未着色で経年変化を受け入れるヌメ革を採用。ごまかしの効かない素材と真正面から向き合うことで、時間とともに完成していく作品性を内包している。アート作品として鑑賞できると同時に、実際に履くことのできる靴として成立しており、視覚と身体感覚の双方に訴える表現を試みている。
IDAは、2007年にアメリカ・ロサンゼルスで設立された国際デザイン賞。建築・プロダクト・グラフィック・ファッションなど多様な分野を対象に、世界中の優れたデザインを顕彰している。2025年で第19回を迎え、国際的に活躍する建築家やデザイナーを審査員に迎えた厳正な評価プロセスを特徴としている。International Design Awards 2025の授賞式は、2026年2月8日、バンコク・デザイン・ウィーク期間中に、タイ・バンコクのICONSIAMで開催される予定。










