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シンギュラリティ後の主体性を問う スラヴォイ・ジジェク最新作

 AIが身近になった今日、仕事やプライベートでAIを便利に使いながらも、すべてを理解しているわけではない最新テクノロジーの向こう側に不安を持つ人は少なくない。世界を代表する思想家でスロベニアの哲学者、スラヴォイ・ジジェク氏が、ラカンを下敷きに、ヘーゲルの視点からAIやポスト・ヒューマンを問う『接続された脳とヘーゲル:シンギュラリティにおける主体性の行方』(誠信書房、税込み3520円)が6月20日に発売される。

 ラカンの理解を背景にヘーゲルを前面に出し、人工知能やポスト・ヒューマンの話題を展開している。心のプロセスとデジタル・マシンが直接つながる「接続された脳」が現実となった場合、私たちの主観にはいったい何が起こるのか。さまざまな小説や映画に言及しながらこの問いに迫っている。生成AIの登場などでシンギュラリティ(人工知能が人間を完全に超える特異点)の到来が身近に感じられる今こそ考えるべきテーマ。デジタル社会における人文知の新たな道を切り開く一冊だ。

 経済思想家の斎藤幸平氏は「終末は、未来の話ではない。終末はすでに、私たちの無意識と欲望、技術を取り巻く資本主義の内部で始まっている。本書は、テック企業が約束するシンギュラリティのなかに、むしろ新しい黙示録を喝破する。AIの時代に、何が人間を人間たらしめるのかをラディカルに問う、ジジェク哲学の真骨頂が発揮された名作だ」と推薦している。