長野県岡谷市は、「岡谷シルク」のブランド力を生かして地域を盛り上げる、2025年度採用の岡谷市地域おこし協力隊を10月31日(木)まで募集している。
岡谷市は明治から昭和初期にかけて、最盛期には国内の製糸生産高の4分の1を占めたほどの生糸の一大産地。諏訪湖に流入する河川が多くあり、繭を煮るための良質で豊富な軟水に恵まれているという地質上の利点、さらに諏訪湖から流れ出る天竜川に大きな水車をかけることにより、繰糸機の動力を得られ、製糸業を発展させてきた。戦後のライフスタイルの変化により生糸産業の姿も変わりつつあるが、国内に数社のみとなった製糸工場の一つ「宮坂製糸所」が現在も稼働している。岡谷市では、工程を見学できる岡谷蚕糸博物館を中心に、シルク文化を軸にしたまちづくりを進めている。
地域おこし協力隊の活動・業務内容は、オール岡谷産シルク製品の生産力基盤強化(養蚕振興・生産者支援等)、製品開発、販売促進、岡谷市のシルク文化・歴史を活用したイベント、ツアー立案など岡谷市のシルクブランド発展に向けた全般的な取り組み。報酬月額は、23万1858円予定(通勤手当と賞与あり)。協力隊員としての活動に必要な費用(消耗品購入、研修等参加費など)は、予算の範囲内で岡谷市が支出する。詳しい応募条件、任期、待遇・福利厚生、応募方法などは、岡谷シルクブランドのホームページで確認できる。
長野県のほぼ中心に位置する岡谷市は、東京・新宿、名古屋からそれぞれ特急電車で約2時間半。周囲を3000m級の山々に囲まれ、遠くに富士山を望む山と湖のまちだ。戦後に精密機械工業の集積地として栄え、現在はものづくりのまちとして発展。今も多くの企業が集まり、市の人口は約4万5千人を数える。冬は最高気温が0℃に満たない日も多いが、長野県内では積雪は比較的少なめ。諏訪湖と山の間に広がる平野部の市街地に病院やショッピングセンター、市役所などが集中するコンパクトシティーで、都市圏から移住しても暮らしやすい街としてPRしている。