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「鎌倉殿の13人」寛一郎、公暁の実朝暗殺シーンを振り返る 「自分の犯したことの重大さに気づいていく、というつもりでやっていました」

 NHKで放送中の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。11月27日に放送された第45回「八幡宮の階段」では、公暁が叔父にあたる鎌倉幕府3代将軍・源実朝(柿澤勇人)を鶴岡八幡宮で暗殺した。これに関して、公暁を演じてきた寛一郎がコメントを発表し、歴史の大きな転換点となった実朝暗殺事件を振り返った。

 まず寛一郎は、実朝暗殺にまで追い込まれた公暁の心情を、「彼のすがりどころとしては、もう実朝を殺す、というところなんです」と打ち明けた。

 さらに、「北条義時(小栗旬)も標的ではありますけど。とにかく実朝を殺せば何とかなるんじゃないかと、自分が生きるために殺さなければならないと」と続けた。

 その直後、前回繰り広げられた公暁と実朝、2人だけのやり取りを交えて、公暁の心情をさらに掘り下げた。

 「第44回で、公暁は実朝との共鳴というか、会話、対話をしてみて、最後に『だまされるものか』と言うんですけど、それはもう彼がずっと生きてきた中で芽生えた疑念というか、自分が生き抜くためにはだまされてはいけない、という疑念からも、本来だったら手を取り合える仲だったかもしれないけど、やはり殺すという決断をして…」と語る。

 こうしていよいよ鶴岡八幡宮の大階段を舞台に実行された実朝暗殺。だが、そこには「大階段のシーンは、本来、最初に義時を殺して次に実朝を殺すという献立でしたけど、思いもよらぬ(源)仲章(生田斗真)という、よく分からないやつを殺してしまい…」という、思わぬ誤算が生じる。

 これが、「そのパニックもあるんですけど」と公暁を混乱させたことを認めつつも、「最終ゴールは実朝、という公暁なりのプランがあったので、最後に実朝を殺しました」と実朝暗殺に至った経緯を打ち明けた。

 とはいえ、そのときの公暁の心情について寛一郎は「でも恨んでいた相手が、本当はいいやつだったって、結構きついじゃないですか、殺す側にとっては。それはうすうす、公暁も分かっていたはずなんですよ、『別にこいつが悪いわけじゃない』と。実朝にもそう言っていますし」とも語った。

 その直後、「でも殺さなければいけない、自分が生きるために」と続けた寛一郎の言葉からは、実朝暗殺を決意した公暁の複雑な心境もにじむ。その上で寛一郎は、暗殺シーンを演じた際の自身の心境を次のように打ち明けた。

 「だから実朝が最後、自分の小刀を捨ててうなずいたときは結構苦しかったですし、斬ったあとに『父の敵を取った』という名目のもとやっていましたけど、やっぱり気持ちは晴れないんですよね。というより、彼の呪いが解けていくというか、やっと自分の犯したことの重大さに気づいていく、というつもりでやっていました」。