映画『銀河鉄道の父』の完成披露試写会が5日、東京都内で行われ、出演者の役所広司、菅田将暉、森七菜、豊田裕大、坂井真紀、田中泯と成島出監督が登壇した。
本作は、宮沢賢治が「駄目息子だった」という大胆な視点を軸に、大量の賢治の資料の中から父・政次郎について書かれたものを集めて、究極の家族愛を描いた、門井慶喜氏の同名小説を映画化。
政次郎を役所、長男・賢治を菅田、賢治の妹トシを森が演じたほか、政次郎の妻イチを坂井、祖父の喜助を田中が演じた。
役所と菅田は、初共演の感想を問われると、互いに「最高です」と声をそろえてにっこり。役所は「もともと“菅田ファン”でしたし、いつか一緒に現場に立ちたいなと思っていました。また宮沢賢治には菅田くんしか思いつかないぐらい、すごく合っている役でした」と語った。
これを聞いた菅田は「恐れ多いですよね。僕も“役所広司教”なので、こんなに幸せな時間はないと。ずっと楽しかったです」と語った。
役作りのために準備したことを尋ねられた役所は「まずは原作と、脚本を読み込むこと。あと今回は方言。花巻弁は、できるだけ花巻の人たちに笑われないレベルまでいきたいなと。でもそれだけじゃ駄目で、やはり現場に行って、この家族たちの顔を見て、せりふを聞く。そういうことで政次郎という役がだんだん出来上がった気がします」と話した。
菅田は「今回は結構やることがありました。方言もそうですし、チェロの演奏、書く作業やお経の唱え方などもあったので…」と回想。
チェロは、数カ月にわたって練習を重ねたそうで、「最初は『指さえ動いていればいい』というオファーだったのが、『音が鳴るなら使いたい』と。音が鳴るなら『歌ってもほしい』と弾き語りに。お芝居をしながら演奏するというまさかのトライでした。ちゃんとサントラとかにも載せて『チェロ・菅田将暉』って書いてほしい」と語った。
役所が「本読みのときにはもうチェロを練習していたので、ヘトヘトの顔をしていました。でも本番ではさすがでした」とたたえた。
映画は5月5日から公開。