グルメ

未収穫農作物を表舞台に引っ張り出す! 味の素・大分県中津市・Z世代の食イベントを東京・伊勢丹新宿店で

立命館アジア太平洋大学2年の若林快卓さん(左)と大分県中津市長の奥塚正典さん

 農業の後継者不足により十分に収穫できない農作物を、活躍させようという取り組みが進められている。「味の素(東京)」「大分県中津市」「九州の大学生」がコラボレーション。学生らが大分県中津市の未収穫農作物であるタケノコを収穫・加工し、販売して世に送り出す段階まで携わっている。“隠れ食品ロス”を削減し、新たな資産に生まれ変わらせる試みだ。

 味の素が2022年にスタートしたZ世代とともに取り組む「MIRAINOMOTO」プロジェクトの一環。同年は、立命館アジア太平洋大学(大分県別府市)の学生たちが収穫・加工した「タケノコの水煮」を、味の素の中華用料理の素と合わせて地元大分県のスーパーで店頭販売した。

 2年目となる今回は、立命館アジア太平洋大学・別府大学(別府市)・大分大学(大分市)・九州大学(福岡市)の4大学20人の学生が、同プロジェクトでタケノコの収穫やタケノコの水煮への加工を体験した。このタケノコの水煮が、「味の素㈱『MIRAINOMOTO』×伊勢丹新宿店 コラボイベント」として、三越伊勢丹の伊勢丹新宿店本館地下1階「フレッシュマーケット/青果」コーナーでの特別販売と試食、同フロアのキッチンステージでタケノコを使った特別メニュー。さらに、本館7階のレストランフロアの3つのレストランの特別メニューでお披露目されている。開催期間は、6月7日(水)~6月11日(日)の5日間。営業時間は、本館地下1階「フレッシュマーケット/青果」は10時~20時。「キッチンステージ」は10時30分~20時(L.O.19時)、本館7階レストランフロアは11時~22時(L.O.21時)。

本館地下1階「フレッシュマーケット 青果」で販売されているタケノコの水煮

 本館地下1階のキッチンステージでは、広島県廿日市市のモダンベトナム料理店「CHILAN」のドグエン チランシェフが手がけるコース料理の前菜の一つとして「MIRAINOMOTO」のタケノコの水煮を活用。

本館地下1階キッチンステージで提供されるコース料理の前菜

 7階レストランフロア「グリーンイタリアントルチャ」では、「桜海老と竹の子・三陸わかめのアーリオオーリオ 甘夏の香り」を提供。みかんこしょうをアクセントにしたオイルソースに、香ばしくローストしたタケノコ、肉厚で弾力のある三陸わかめ、風味豊かな桜エビを使った和風ベースのオイルパスタ。

「グリーンイタリアントルチャ」で提供される「桜海老と竹の子・三陸わかめのアーリオオーリオ 甘夏の香り」

 「AGIO」では、「筍の炭火焼き 5種のチーズソースとご一緒に」を提供。タケノコの水煮を半分に割り、香り高い炭火焼きに。ゴルゴンゾーラ・タレッジオ・ピラミッド・モッツァレラ・グラナパダーノの5種のチーズソースで味わう。

「AGIO」で提供される「筍の炭火焼き 5種のチーズソースとご一緒に」

 「銀座アスター」で提供されるのは、「タケノコと白身魚の揚げ物 スパイシーソルト炒め」。タケノコと白身魚を香り良く揚げ、香辛料やココナッツを使ったオリジナルのスパイシーソルトで炒めた。サクサクとした食感を楽しめる。

「銀座アスター」で提供される「タケノコと白身魚の揚げ物 スパイシーソルト炒め」

 イベント初日、店頭に並んだタケノコの水煮を前に、大分県中津市長の奥塚正典さんは「一緒に山の中で土の中からタケノコを掘り、民家で寝食を共にし、加工作業を行う中、学生たちと地元農家の人たちのつながりができた。若い人たちが楽しみながら参加し、学んでくれた。消費者の皆さまにもそんなプロセスを知ってもらえたら」と話した。立命館アジア太平洋大学2年の若林快卓さんは「地域の課題は皆で取り組まなければ解決できない。今回、国内の他地域の皆さんとも協力して活動し、達成感がありました」と振り返った。また、「未収穫農作物は中津市だけの問題ではないので、全国の大学生などと交流しながら横への展開もしていきたい」と抱負を語った。