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「エシカルな商品は消費者価値になり得るか?」CCCMKホールディングスが第4回「食のサステナビリティフォーラム2024」を開催

 CCCMKホールディングス(東京)は、「第4回『食のサステナビリティフォーラム2024』~エシカルな商品は消費者価値になり得るか~」を3月27日に東京都内で開催した。

 同フォーラムは、CCCMKホールディングスが運営するポイントサービス「Vポイント」の購買データや各社の事例をもとに、生活者や業界を超えたさまざまな人たちと対話を重ねながら、“持続可能な食”を目指した生活について考えることを目的にしたイベント。2024年7月の第1回からスタートし、食品メーカー・流通・テックなど業種・業界の垣根を超えた関係者たちが参加。最終回の今回は、27人が参加した。

 まず、イオンリテール MD本部 商品戦略部 部長の横田大輔氏が、「持続可能な食に関する方針とエシカル消費促進に向けた取り組み事例」と題し、30年以上続けてきたサステナブルに関する取り組みや、プライベートブランド「トップバリュ」におけるエシカル商品の展開や今後の展望などについて紹介した。横田氏は、「商品の便利さについて直感的に『いいね』と思っていただける状態がエシカル価値の“見える化”だと思う。『楽だな』『時短でいいよね』といった顧客視点のベネフィットをしっかりと押さえた上で、環境負荷軽減につながるというストーリーをご提案することで、エシカル商品の定着化は促進されていくのではないか」などと述べた。一方で、エシカルな取り組みであることが生活者にしっかりと見えるようにしていく大切さについても触れた。

イオンリテール MD本部 商品戦略部 部長 横田大輔氏

 次に、「エシカルフードの販売に関する取り組み事例」と題し、「V みんなのエシカルフードラボ事務局」湯浅知里氏とマルエツ 経営管理本部 経営戦略部 髙橋彩乃氏が、「エシカルフード基準」をもとに選定したエシカル商品の実店舗における実証実験について紹介した。湯浅氏は、「エシカルに関心がある方だけでなく、関心のない方がどうすれば手に取ってくれるのかについて、おいしさや便利さなど商品の本質的価値をエシカル価値に結び付けていく試みにチャレンジしていきたい」と語った。髙橋氏は、「今後も、それぞれの売り場の環境に合わせた展開で、エシカル商品の訴求を進めていきたい」と語った。

V みんなのエシカルフードラボ事務局」湯浅知里氏

 「食のサステナビリティフォーラム2024」の総括として、「V みんなのエシカルフードラボ」リーダー 瀧田希氏は、「業界の垣根を超えた参加者の皆さまと、日本におけるエシカルフード市場創出に向けて“エシカルな商品の消費者価値”の模索を1年間続けてきた。その中で、消費者視点のニーズとエシカル価値を結びつけることを意識した商品開発の必要性や、Z世代の価値観における“楽しさ”をエシカル商品にインプットしていく可能性、そして、流通の現場における消費者価値に転換したコミュニケーションの重要性などが見えてきた」と述べた。さらに、2025年度の「食のサステナビリティフォーラム2025」について、「社会実装のフェーズとして、エシカルな商品を“どのように見せると消費者価値となり、購入につながるか?”の検証にチャレンジをしたい」と意気込みを語った。

マルエツ 経営管理本部 経営戦略部 髙橋彩乃氏

 参加した相模屋食料 関東営業部 兼 三之助営業部 部長の篠原誠司氏は、「エシカル消費に対する個々人の対応や行動はまだ限定的である、という事が前提としてある中で、流通(小売り)側からの視点での課題を共有いただき、個人的に大きく知見が広がった。消費者に『いいね』と感じてもらうきっかけが必要なのだろうと考え、メーカー側として偶然を必然的に作り出すことを考えていきたいと感じた」などと感想を述べた。