冬の電気代が気になるからと、エアコンの風量を「弱」に設定していないだろうか。実は、節電のつもりの操作が、かえって電気の使い過ぎにつながる可能性があるという。パナソニックが暖房運転を検証したところ、風量を「弱」にすると、室温が20℃に到達するまで約40分遅れ、消費電力量は約60%増加した。
同社が2026年10月に実施した「今冬のエアコン利用意向と節電に関する実態調査」(有効回答数553人)では、今夏の電気代が想定より高かった人は53%。電気料金の値上げによる負担を感じる人は81%、食品や日用品などの物価上昇に不安を感じる人は90%に上った。さらに、67%が「家計に余裕がない」と回答し、56%が今冬は節約のために暖房の利用を我慢したいと考えている。
暖房を控える対象はエアコンが最多で60%。節電対策では「設定温度を低くする」(36%)、「厚着をする」(31%)、「エアコンを極力使用しない」(27%)が上位に並んだ。
そこで同社は、約14畳の環境試験室で、室温2℃から20℃に到達するまでの時間と消費電力量を比較。フィルターの汚れと風量設定の違いによる影響を調べた。
その結果、1年相当の汚れが付着したフィルターでは、きれいな状態に比べて風量が約9%低下し、室温到達まで約1.3分長くかかり、消費電力量も約10%増加。さらに風量を「弱」にすると、室温20℃への到達が約40分遅れ、消費電力量は約60%増えた。風量不足は暖かい空気が足元まで届きにくくなる原因にもなるという。
同社が勧めるエアコン節電術は、「フィルターをこまめに掃除する」「風量を『自動』に設定する」「設定温度を上げすぎない(室温目安は20℃)」の3つ。ポイントは、暖房を効率よく使うこと。サーキュレーターや扇風機で天井付近にたまった暖気を循環させるのも有効だという。
また、世界保健機関(WHO)は冬の室温を18℃以上に保つことを推奨している。同社のデータでは、冬に暖房を使わない場合、全国平均の室温は16.6℃で、18℃未満の世帯は57%に達した。電気代が気になる冬こそ、寒さを無理に我慢せず、適切な室温を保ちながら効率よく節電するのがよさそうだ。パナソニックの「冬のエアコン節電術」は、同社ウェブサイトで紹介している。








