TABIZINE10周年を記念して、ライターそれぞれが自由に綴る旅エッセイ。第3回目は、神奈川在住のあやみさん。「ひとり旅が好きです。26歳で初めてひとりでバリ島を訪れてから、ひとり旅の虜になりました。国内ひとり旅も好きですが、海外ひとり旅はもっと好きです。そこで、TABIZINE10周年のこの機会に、なぜこれほどまでにひとり旅が好きなのか、じっくり考えてみました」
もともとひとりで過ごすのが好き
私はひとりで過ごせる時間がないとダメなタイプです。誰かと長時間いると、なぜか疲れてしまいます。そのため、旅の最中に感動を共有する友人や知人が欲しいと思う瞬間も確かにありますが、人と一緒に旅するよりも、ひとり旅をした方がラクなのです。
とはいえ、旅先で出会った人たちと交流するのは大好きです。年齢国籍問わず、さまざまな人と誰にも気兼ねすることなく会話できるのはひとり旅ならではではないでしょうか。
マイペースでいられる
私は人と旅をするとどうしても気を遣ってしまいます。シャワーを浴びるタイミングや食事の時間、行きたい場所など、ある程度、相手に合わせる必要があるからです。
しかし、ひとり旅だと食べたいときにご飯を食べ、寝たいと思ったときに寝られて、行きたい場所にだけ行けます。すべて自由なのです。
もちろん自由は責任を伴いますが、マイペースに行動できるひとり旅は、私にとって理想の旅のカタチなのです。
自分への自信につながる
旅には大小問わずハプニングがつきものです。
インドの宿にゴキブリが大量にいたり、ラオスで蜂のような虫に刺されたり、台湾で飛行機に乗り遅れそうになったり、タイのチェンマイのソンテウ(乗り合いバス)でボッタクリされたり。これまでの旅でもいくつものハプニングに見舞われました。
幸い大きな事故に遭ったことはありませんが、旅している以上、どうしてもハプニングは起こります。
そんなとき、ひとり旅だと基本、自分ひとりで解決しなければなりません。そして、必死でその状況を乗り越えた後、二度と同じハプニングが起こらないように対策を練ることができます。
例えば、宿の衛生状態がイマイチの場合は、速やかに宿を移ったり、金額を誤魔化されないようにあらかじめ平均的な料金を調べておくことを習慣化したり…。
それが「見知らぬ場所で、ひとりで問題を乗り越えることができた」という自信へつながっている気がします。ハプニングを乗り越えるたびに、自分の内側に静かに息づく“生きる力”のようなものを感じるのです。
自分を見つめ直すことができる
ひとり旅は自分を見つめ直すのに最適です。時間に追われ、忙しい毎日を送っていると、気づかぬうちに自分のことを見失っていることがあります。自分が何をしたいのか、わからなくなることも。
ひとり旅をすると、日常生活では決して得ることができない、開放的な時間が生まれるからなのかもしれませんが、自分の心の動きに敏感になります。
すると「本当はコレがしたかった」と気づいたり、新しいアイデアが閃いたりします。もちろん、それをカタチにするか否かは自分次第となりますが、普段抑圧されていたものから解放され、マイペースに過ごしているからこそ、自分を見つめ直すことができるのだと思います。
おそらく、私がひとり旅が好きな一番の理由はコレです。
今後も私はできる限りひとり旅を続けていくでしょう。何歳までできるかわかりませんが、定期的に自分を見つめ直す旅をしていきたいと思っています。
ひとり旅をしてみたいけど、怖くて踏み出せない方へ
以前の私もそうでした。
ですが、沢木耕太郎さんの『深夜特急』をはじめ、たかのてるこさんの『モンキームーンの輝く夜に』『ダライ・ラマに恋して』、高野秀行さんの『アヘン王国潜入記』など旅の大先輩たちが執筆した本に勇気づけられて、その一歩を踏み出すことができました。
これらの本を読んでいくうちに、ひとり旅に対する恐怖心よりも好奇心が上回ってきたのです。その好奇心を満たすために、ひとり旅を決意しました。
初めてひとり旅をした日、空港から飛行機に乗り込んだ瞬間に「もう後戻りはできない。行くしかない」と自分にいい聞かせたことが強く記憶に残っています。
それだけ、私にとってひとり旅に出ることは大きな一歩だったのです。
結果、行ってみて大正解。そこからどっぷりとひとり旅の魅力にハマり、今では私の人生に欠かせないもののひとつになりました。
ということで、ひとり旅をしてみたい! と思ったら、まずは国内もしくは、治安がよく親日な台湾あたりからひとり旅をはじめてみては。
ひとり旅によって、自信がつき、自分のことがよく見えるようになるかもしれません。
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