TABIZINE編集部のChikaです。10周年を記念して、TABIZINEライターそれぞれが自由に綴る旅エッセイ。第9回目は、空港という場所について。その国、その土地ごとに異なる空気と匂いを感じられる空港は、いつだって私をわくわくさせてくれる。まるでパワースポットかのように、大きなエネルギーをもらえる場所です。
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空港が好きだ。
空港を訪れたときの、旅情の高まり、行き交うさまざまな国の人たち、流れるアナウンス、すぐそばに見える飛行機、国や土地によって異なる空気と匂い。すべてが、私をわくわくさせるのだ。
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初めて訪れた海外の空港は、アメリカのサンフランシスコ国際空港だった。当時16歳の私は、大いに刺激を受けた。空港にいるだけで、「世界は広い」そう感じた。旅の楽しさ、未知の世界へ行ける喜びを知った。
あれからもうかなりの月日が流れたが、空港を訪れたときのわくわく感は、ずっと変わることはない。
大人になった私は、大好きな空港で働くことになる。空港で働く毎日は、今思い返しても刺激的でドラマチックだった。
翻訳アプリなどない時代。
言葉が通じない外国の人々と、身振り手振り、時にイラストや漢字をかいてコミュニケーションを図ったりもした。
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早朝勤務のときの、誰もいない静けさに包まれた到着ロビーが好きだった。貨物便の到着対応で、私しか乗っていないスタッフ専用のバスから、夜間の美しい滑走路を眺めるのが特に好きだった。今思えば、仕事とはいえ、かなり贅沢な時間だったように思う。
スタッフとして働いたことで空港の裏側を知り、さらに空港という場所に愛着が湧いたように感じる。
普段は大勢の人で賑わう空港だが、静かな空港も悪くない。そう思っていた。
コロナ禍を経たいま、世界や日本国内に旅へ出る人々で賑わう空港を見て、どことなく安堵した自分がいる。空港という場所は、やはり活気があって、多くの人々で賑わっているのがとても似合うのだ。
残りの人生で、できるだけ多くの空港を訪れたい。そして、その国、その土地独特の空気や匂いを体いっぱいに感じたい。
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