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アマ野球の聖地、神宮球場を行進  全日本学童軟式野球の開会式

 全国の予選を勝ち抜いた小学生のチームで争われる高円宮賜杯第43回全日本学童軟式野球大会「マクドナルド・トーナメント」の開会式が8月5日、アマチュア野球の聖地、神宮球場で、出場51チームの選手が参加して行われた。

 当日は気温35度を超える猛暑日だったが、夕暮れの神宮球場には時折さわやかな風が吹き抜け、選手たちは笑顔で行進した。大会は神宮、大田スタジアムなど7球場を舞台に、11日まで行われる。

アマチュア野球の聖地、神宮球場で、出場51チームの選手が参加
神宮球場で出場51チームの選手が参加

▽マクドナルドが特別協賛
 開会式では、全日本軟式野球連盟の武内繁和会長が「仲間と支え合って最高の夏休みにしてほしい」と、選手たちの健闘を求めた。1986年からこの大会に特別協賛している日本マクドナルドの日色保社長も「選手の健全な姿を支えることに喜びを感じている」とお祝いの言葉を贈った。
 地元東京の真壁公輝君(池雪ジュニアストロング)が「東京へようこそ、素晴らしい球場で試合ができます」と歓迎の言葉を述べ、岡山県代表の里庄町少年野球クラブの佐藤琉葵主将が「サポートしてくれた両親やコーチに感謝し、あきらめず、全力でプレーします」と選手宣誓した。

岡山県代表の里庄町少年野球クラブの佐藤琉葵主将がの選手宣誓
岡山県代表の里庄町少年野球クラブの佐藤琉葵主将が選手宣誓

▽始球式に上原浩治さん登場
 始球式は、元大リーガーで、プロ野球巨人のエースでもあった上原浩治さんが、3年連続で務めた。開会式の前には全チームと個別に記念写真に収まったが、今の小学生にとって上原さんが活躍した時期は幼年期のため「この人誰?」と、首をかしげられる場面も何度かあったそうだ。投球の前に上原さんは「僕の名前も覚えてください」とユーモアあふれるあいさつで選手を和ませ「練習は厳しく試合は笑顔で」と呼びかけた。
 始球式では東京第一代表レッドサンズの藤森一生主将が打席に入り、前年度優勝の中条ブルーインパルス(石川)の向慶士郎主将が捕手に。上原さんの投球は、外角に外れたものの、かなりの速球だった。これには選手たちよりも、スタンドで見守っていた父母やコーチから「おーっ」と歓声が挙がった。
 今年は3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本が優勝し、野球への関心が大いに高まっている。上原さんは「メディアが野球を取り上げることが多くなり、アマチュアにとっても望ましい」と、今大会の盛り上がりを期待した。