東京都も4月から自転車保険加入義務化 半数近くが条例改正把握も、加入率は5割に満たず

Portrait of family in Autumn park

 自転車事故による高額賠償請求事例が近年全国で発生していることなどを受け、自転車利用者に対し、事故に備えた損害保険への加入を条例で義務付ける自治体が増えている。東京都も条例を改正し、4月1日から義務化する。つまり、「4月1日から都内で自転車を利用する場合には、個人賠償責任補償が備わった保険等に加入している必要がある」のだ。このことが都民に認知されているかどうか、au損保がアンケートを行った。

 アンケートはインターネットを通じて行い、20〜60代の男女310人(年代・性別共に均等に配置)の回答を分析した。まず、「東京都では『東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例』が改正され、令和2年4月1日から、自転車の利用者は自転車保険に加入することが義務化されることを知っていますか?」と尋ねると、「知らない」人が53.5%、「知っている」人は46.5%だった。

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 また、「あなたの周囲の人々の間で、自転車保険加入義務化の周知は進んでいると感じますか?」との問いに対しては、「とても感じる」(5.8%)と「まずまず感じる」(14.8%)を合わせ、「感じる」人が20.6%。「あまり感じない」(45.5%)と「全く感じない」(33.9%)を合わせた「感じない」人79.4%を、大きく下回る形となった。

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 回答者自身が「自転車事故による損害を補償する保険に入っているかどうか」については、「入っている」(42.6%)と「入っていない」(44.8%)がほぼ同割合で、「分からない」という人も12.6%いた。東京都の条例では、未成年・高齢者にかかわらず、自転車を利用する「全員」が自転車保険に加入するよう定められているが、「家族全員で自転車保険に加入しているかどうか」について一人暮らしの人以外に聞いたところ、「誰も加入していない」が35.3%、以下、「家族全員入っている」(30.5%)、「入っているかどうか分からない」(20.5%)、「家族の一部は入っている」(13.7%)だった。

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 自転車保険加入者に対して、自分が入っている保険の補償内容を把握しているか聞いたところ、把握している人が6割を超え(61.4%)、把握していない人が4割弱(38.6%)だった。

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 アンケート結果からは、条例の改正について「知っている人」と「知らない人」、自転車保険に「入っている人」と「入っていない人」が似たような割合ではっきり分かれており、人による意識の差が大きい可能性も考えられる。また、自転車保険に入っている人については、補償内容を把握している人も一定数いるが、家族全員の加入については十分に進んでいるとは言えないようだ。

 都市部につきものの渋滞や電車混雑から解放される自転車を、通勤や通学に使う人も少なくないだろう。3人乗りの自転車の前後に小さな子どもを乗せて、日々の子育てに奮闘している母親たちの姿もよく見かける。小学校高学年にもなると、自転車で1人で遊びに出掛けたり習い事に行ったりする機会も増える。年代を問わず運転でき、便利で環境に優しい自転車だが、その手軽さと危険な事故は表裏一体。子どもが死亡事故の加害者になってしまうこともある。

 東京都のホームページの中に、自分の加入状況をチェックするチャート表がある。春からの新生活で新しい自転車を購入する人もいるだろう。条例改正を前に自身や家族の加入状況、補償内容について確認し、家族で自転車の安全運転について話すきっかけにしてみよう。

 

au損害保険株式会社
 スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末やパソコンを通して「いつでも・どこでも・手軽に」利用できる損害保険会社として2011年に設立。
主軸商品である『自転車向け保険』は昨今の自転車事故への備えの重要性や社会の関心の高まりに応えるべく、発売以来、積極的に商品・サービス内容のブラッシュアップを行い、2020年オリコン顧客満足度®調査において、自転車保険 補償対象別「本人型部門」で第1位に輝いた。

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