飲みに行く!どんなお店がいい!?となったら間髪入れずに「焼き鳥!」と答えるビール好きの筆者。ビールはもちろん、サワー、焼酎、日本酒を、焼き鳥と共にグイッと。ワインと焼き鳥の組み合わせもちょっとおしゃれ。とにかく、飲みのシーンでなじみの深い食べ物と言ったら焼き鳥だ。友人には、焼き鳥好きが高じて、自宅で鶏肉を串に刺して炭火焼きするという人もいる。そんな宅飲みもいいが、お店で味わう焼き鳥ならではの大きな魅力がある。それは、1羽から少量しか取れない、また滅多に食べられない「希少部位」の存在。外食トレンドをリサーチする「トレンド座談会」を開催している「ホットペッパーグルメ外食総研」は、最近注目されつつある焼き鳥の「希少部位」に関するアンケート結果を、このほど発表した。
アンケートは、昨年12月、インターネットを通じて全国の20歳~59歳の男女に行った。有効回答数は1,032件(男性516件、女性516件)。
まず、年代別に「『希少部位』と聞くと食べたくなりますか?」と尋ねたところ、「そう思う」と答えた人が20代で79.8%。30代は73.3%、40代は62.8%、50代は55.0%で、20代~30代で「希少部位」と聞くと食べたくなる、と答えた人が7割を超えた。20~30代は特に、希少部位への興味関心も高いようだ。
「食べたことがある/食べてみたい焼き鳥の『希少部位』」を聞いたところ(回答数1,032、3つまでの複数回答)、1位は「ふりそで」で91票。ふりそでは、手羽元と胸肉の間の部位で、ジューシーかつカロリーも低めとの評判がある。以下10位までを見ると、「えんがわ」(砂肝の壁の部分を集めたもの)88票、「白子」(精巣)85票、「ハツ元」(ハツのつなぎ目部分)73票、「おび」(ももの中心)61票、「丸ハツ」(心臓の内膜を裏返したもの) 52票、「油つぼ」(ぼんじりの付け根) 51票、「ソリレス」(腰骨の付け根のくぼみについた肉)45票、「ちょうちん」(産まれる前の卵)42票、「ペタ」(ぼんじりと背中をつなぐ皮の厚い部分)36票だった。正直、メジャーとは言えない部位名がずらりと並ぶ。筆者は、「『えんがわ』『白子』って寿司だけじゃなくて、焼き鳥にもあるんだ!」と、知らない部位名ばかりを前に、まだまだ焼き鳥好きなんて名乗れないことを実感…。
「ホットペッパーグルメ外食総研」では、こうした希少な食材は若い世代を中心に食され、今後徐々に広まっていくのでは、と予想している。
「ホットペッパーグルメ外食総研」の上席研究員・有木真理氏は、「自宅でも気軽においしい焼き鳥が食べられる昨今ですが、外食で食べる焼き鳥の『希少部位』は格別です。今は、昔ながらの煙もくもく系居酒屋ではなく、スタイリッシュでおしゃれなカウンターの焼き鳥専門店が増えています。まるでお鮨屋さんのようなカウンターで、焼き鳥を1本1本丁寧に焼いてくれて、その部位の特徴や食べ方を説明してくれるのです。」
だが、外食は内食/中食マーケットとの差別化が必要。焼き鳥界における『希少部位』は大きな差別化ポイントの一つ」とのコメントを寄せている。
入手困難な希少部位は、入手経路はもちろんのこと、調理方法、食べ方が難しいため自宅でアレンジするのは難しい。そこで“プロ”の出番である。では、こんな焼き鳥の「希少部位」が楽しめる店をご紹介しよう。
■「ふりそで」を瞬間薫製で楽しむ「月山 三軒茶屋」【東京都・世田谷区】
ワイン用のぶどうの枝木で瞬間薫製した「瞬間薫製焼き鳥」というモダン焼き鳥スタイルを提供。和と洋がマリアージュしたモダンな空間で、毎日、山形から送られてくる契約農家直送野菜や数量限定の幻のお肉など、郷土の旬を存分に味わえる。注目の希少部位「ふりそで」も独自に瞬間薫製したものを楽しめる。
https://www.hotpepper.jp/strJ001126188/
■ 「ちょうちん」が人気「YAKITORI TORIYAMA ROPPONGI」【東京都・港区】
2019年12月にオープンした六本木の新店。カフェのようなスタイリッシュな店内で、定番ネタから希少部位まで幅広く楽しめる。人気の串は、鶏一羽から1本しか採れない大変貴重な部位「ちょうちん」。かんだ瞬間の弾ける濃厚なうまみが病みつきになる、マニア垂涎の一品。
https://www.hotpepper.jp/strJ001231118/
■すしの名店が焼き鳥をプロデュースする「平良」【東京都・港区】
すしの名店「鯛良」がプロデュースする表参道の隠れ家的焼き鳥店。希少部位の種類が豊富。各地のおいしい地鶏だけをこだわって選んで使用している。食材をさらに引き立たせてくれる日本酒やワインもそろえる。http://toritaira.tokyo/
他では食べられない珍しい食材を、プロの調理技術や自身では想像がつかない食べ方で提案してくれること、それ自体が価値のある体験。さらに、SNSで格好のネタになりそうな珍しい食体験を発信できるという、一石二鳥の楽しみ方もできそうだ。