高度成長という言葉は歴史の教科書の一項目。いまや少子高齢化で、「異次元の」少子化対策にもなかなか「異次元」に値する話がない。行き先不透明なニッポン、というこの抽象的な感覚を裏付ける調査結果がある。Withコロナの生活様態の把握を目的として、6カ国の人々に実施した「グローバル生活実態・意識6カ国調査」(クロス・マーケティング、東京)によると、将来の展望に明るさを見ているインドや中国とは逆に、日本やドイツの人々の見通しはあまり明るくないようだ。
日本、中国、タイ、インド、アメリカ、ドイツの6か国で、20~69歳の各国500人を対象に2022年12月16~26日に実施した調査。まず「現在、景気が良いと感じる」割合は、経済成長の著しいインドが76%と群を抜いて高い。「社会をよりよくするために、社会課題の解決に関与していきたい」は、タイが81%、インドが80%。日本は景況感、社会関与ともに6カ国の中で最低値。
「10年後の国の状態」について、「今より良くなっている」と考えているのはインド84%、中国82%、タイ73%。国、自分の生活ともに“今より良くなっていると思わない割合”が高いのは日本とドイツで双方40%だ。
では、生活に求めることは何かを26項目で聴取したところ、1位に「幸福な生活」があがった国は、タイ、インド、アメリカ、中国。ドイツは1位が「自由な生活」、僅差で2位に「幸福な生活」がついている。日本は5割を超えるものはなく、1位「安定した生活」2位「落ち着いた生活」3位「のんびりした生活」が上位と、平穏無事な生活を望む意識が強く、他国とは一線を画している。