まめ学

「おしぼり」文化を世界に発信  おしぼりをキャンバスにしてアートを

img_367380_1

 古くは江戸時代、旅人の汚れを拭い、疲れを癒やしたのが始まりといわれている「おしぼり」。一期一会のおもてなしから発祥したおしぼりは、日本ならではの「おしぼり文化」として根付いている。

 そのおしぼり文化を世界に向けて発信し、世界の公用語「OSHIBORI」として定着させることを目指すプロジェクトが始まる。おしぼりのレンタル・企画開発を手がけるFSX(東京都国立市)が、国際芸術祭「東京ビエンナーレ2023」(https://tokyobiennale.jp/)において、「おしぼり」に「アート」を掛け合わせ、世界に向けて「OSHIBORI」の価値を発信するプロジェクト「おしぼりリンケージ」で参画する。

 「東京ビエンナーレ」は、“東京”の街を舞台に2年に1度開催する国際芸術祭。世界中から幅広いジャンルの作家やクリエーターが集結し、街に深く入り込み、地域住民たちと一緒に作り上げていく。7~9月まで公募企画や経過報告会などさまざまな形で行われる「夏会期」と、9月23日(土)~11月5日(日)まで、夏会期の活動で生まれた作品の展示や、イベント、パフォーマンスなどを体験できる「秋会期」に分かれる。

 「おしぼりリンケージ」(https://tokyobiennale.jp/tb2023/linkage/oshibori-linkage/)では、「おしぼり」を、アート作品を乗せる白いキャンバスと見立て、国内外の参加アーティスト25人に原画の制作を依頼。集まった原画をおしぼりに刺しゅうして作品化した。これらを「おしぼりリンケージ」に参加する都内の飲食店など20軒で、9月1日(金)~11月5日(日)の65日間にわたり提供する。アートおしぼりは、無印良品銀座店で展示も行う。また、エトワール海渡リビング館(千代田区東神田)では、約1カ月間、通常のおしぼりと同じように人々をもてなしたアートおしぼりの作品群と、未使用のおしぼり作品群とを並べて展示。「洗う、再利用する」を繰り返すことで変化していく作品を楽しむとともに、限りある資源を循環させる「レンタルおしぼり」の魅力についても発信していく。