厚生労働省の令和4年度労働環境調査では、ストレスを感じている人は8割以上。主なストレス原因は「仕事の量」「仕事の質」「対人関係」と報告されている。そんなストレス社会を生き抜くために必要な力とは? ストレスマネジメントの専門家・公認心理師として企業や中央官庁、自治体のメンタルヘルス対策や研修に携わり、のべ1万人以上のカウンセリングを行ってきた舟木彩乃氏が、新刊『「なんとかなる」と思えるレッスン 首尾一貫感覚で心に余裕をつくる』 (ディスカヴァー・トゥエンティワン、東京)を10月20日(金)に刊行する。
ストレスを感じている多くの人は、ギリギリまで自分の気持ちをすり減らし、耐えたりごまかしたりしながら、つらい環境になんとか自分を合わせようと頑張る。しかし心には容量があり、心のコップが我慢でいっぱいになったとき、心身に不調が現れる。
舟木さんが提唱するのは、つらい出来事やストレスフルなことがあっても、うまく対処して、心の健やかさを保てる力、「首尾一貫感覚」。その中の3つの感覚、「把握可能感(“大体分かった”と思える感覚)」「処理可能感(“何とかなる”と思える感覚)」「有意味感(“どんなことにも意味がある”と思える感覚)」の中でも、悩みを抱えて相談にくる人たちに最も不足しているのは「処理可能感」=「何とかなると思える力」だという。
同書では、「処理可能感」を中心に、首尾一貫感覚の高め方を伝えていく。具体策として、「自分がいる環境のルールや規則を調べる」「人の力を頼って成功体験を積む」「うまくいったことを日記に書く」「似たような状況の人の本を読む」「ストレス解消法をストックしておく」「問題に向き合うべきか、状況を整理する」などについて解説していく。図やイラストが豊富で分かりやすく楽に読める。「もうダメ・・・」となる前に手に取ってみては。税込み1650円。