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【週末映画コラム】ティモシー・シャラメが魅力的なウォンカ像を構築した『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』/妊娠や子育てについて考えさせる『ポッド・ジェネレーション』

『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』(12月8日公開)

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 人々を幸せにする「魔法のチョコレート」を作り出すチョコレート職人のウィリー・ウォンカ(ティモシー・シャラメ)は、亡き母(サリー・ホーキンス)と約束した世界一のチョコレート店を開くという夢をかなえるため、一流のチョコレート職人が集まる町へやってくる。

 ウォンカのチョコレートはまたたく間に評判となるが、町を牛耳る「チョコレート組合」から、その才能をねたまれ邪魔をされる。さらに、ある因縁からウォンカをつけ狙うウンパルンパ(ヒュー・グラント)というオレンジ色の謎の小さな紳士も現れ、事態はますます面倒なことに。それでもウォンカは町にチョコレート店を開くために奮闘する。

 ティム・バートン監督、ジョニー・デップ主演の『チャーリーとチョコレート工場』(05)に登場した工場長ウィリー・ウォンカの始まりの物語を描くファンタジーミュージカル。オリビア・コールマン、ローワン・アトキンソンら、演技派俳優が共演。監督は「パディントン」シリーズのポール・キング。

 原作のロアルド・ダール、監督のキングをはじめ、グラント、ホーキンス、コールマン、アトキンソンは皆イギリス人。それ故、この映画の後日談に当たるアメリカ人のバートンやデップを中心に作られた『チャーリーとチョコレート工場』よりも、イギリスらしさを色濃く感じさせる。

 どちらかといえば、雰囲気はイギリス製ミュージカルの『オリバー!』(68)や、『チャーリーとチョコレート工場』の前に作られた『夢のチョコレート工場』(71)の方が近いかもしれない。

 何しろ主題歌「ピュア・イマジネーション」のオリジナルは、『夢のチョコレート工場』で元祖ウォンカ役のジーン・ワイルダーが歌ったものだ。ただし、色遣いの面白さ、鮮やかさは『チャーリーとチョコレート工場』に通じるものがある。

 シャラメが魅力的なウォンカ像を構築。グラントのウンパルンパも傑作。ミュージカル映画としても楽しめる。そして、この映画のラストを見ると、続けて『チャーリーとチョコレート工場』や『夢のチョコレート工場』が見たくなる。