昨今、多くの訪日観光客に注目され過ぎて話題になっている京都の花街。日本文化の一つをしっかりと受け継ぎ表現しているということの裏返しでもある。祇園甲部歌舞練場に5月15日、「祇園 花街芸術資料館」がオープンする。花街の文化をわかりやすく伝える常設展示に加え、芸妓さん・舞妓さんとの記念撮影や舞の鑑賞もできる施設だ。
京都にある五花街の一つ、祇園甲部(祇園町)は、祇園社(現八坂神社)の門前町として発展してきた。古来より花見や月見の名所として知られた東山一帯の茶店で接待をする女性たちが、江戸時代になり酒や食事に加え歌舞音曲でもてなすようになったのが、祇園の芸妓の始まりといわれている。
1872年には、芸妓さん・舞妓さんが総出演する大規模な舞踊公演「都をどり」が創始され、その専用会場として創設された「祇園甲部歌舞練場」が、7年間にわたる耐震改修工事を終えて新開場。華麗な手描き友禅の着物や西陣織の帯をはじめ、舞妓さんの化粧道具や持ち物も多数展示。季節ごとに変わるかんざしや、祇園でもめったに見られない正装の黒紋付など、貴重な資料もある。入館料金は一般1600円、高校生以下800円(修学旅行の小中学生に限り400円)、未就学児無料。