株式市場の大波乱、為替相場の乱高下と経済の先行きに不安を感じさせるところだが、実際のところ景気はどうなのだろうか? 帝国データバンク(東京)は、2024年7月の企業倒産件数(負債1000万円以上の法的整理が対象、7月1日~7月31日を集計)についてまとめた。
それによると、7月の倒産件数は920件(前年同月701件比で31.2%増)となり、27カ月連続で前年同月を上回った。2000年以降でみると、最も長い期間であり、7月としては、2013年(952件)以来、11年ぶりに900件を超えた
他方、負債総額は7769億3100万円(前年同月1804億7000万円、330.5%増)と、5カ月ぶりに前年同月を上回った。負債トップは、航空機製造を手がけていたMSJ資産管理(旧三菱航空機)の6413億円で、同社を除いた負債総額は、前年同月を下回っている。地域別では、2カ月ぶりに全9地域で前年同月を上回り、中でも近畿(前年同月170件→251件、47.6%増)の大幅な増加が目立った。
昨今の物価高によってデフレから脱却した状態にあるが、倒産件数をみる限り、景気は良好と胸を張って言える感じではないようである。