キッチンメーカー大手クリナップのショールーム(東京都新宿区)を1月28日、未来の理想のキッチンを考えている京都市の中学生4人が訪れ、クリナップ社員に現時点で理想と考えるキッチンのイメージを説明し“プロ”の意見を求めた。訪問を大歓迎したクリナップ側は、中学生の考えの出発点にある「キッチンを家族団らんの空間にしたい」という“思い”に共感し、その思いに沿った理想のキッチンにさらに近づけるようプロならではのアイデアを惜しみなく提供した。
4人はいずれも京都市立西京高等附属中学3年生の宮脇星歌さん、関桜綾さん、松田完太さん、福田晴優さん。4人はこの日上京できなかった級友と共に5人で「20年後の未来社会」がテーマの総合学習で“理想のキッチン”を検討し、「家族団らんの空間」を創出する「ゲームができるキッチン」を現時点の理想とする考えをイラストなどの文書にまとめ、この日の訪問に臨んだ。クリナップへの訪問は生徒自身が申し入れ、合田智栄教諭が引率した。
ゲームは、プロジェクターを使った大画面で調理を学べる料理に関する内容を想定。ゲームに着目したのは、ほとんどの子どもが興味をもっているから。ゲームも楽しめるキッチンになれば、それをきっかけに親子で一緒に料理する機会がこれまで以上に増えると考えたからという。
生徒の宮脇さんは「お母さんのために卵焼きを作ったとき、とても喜んでくれました。その時、料理は人と人をつなぐとても大きな力があると実感しました。だから料理ができるキッチンは家族がいっそう仲良くなれる家の中で一番すてきな空間になるはずです」と話した。

応対したのはクリナップの常務執行役員・藤原亨さん、開発戦略部商品戦略課長の間辺慎一郎さん、営業企画推進部コミュニケーション課長の守屋雄策さんの3人。藤原さんは「キッチンを単に料理する“道具”と考えるのではなく、家族の団らんをつくる、人と人をつなげる空間と捉える皆さんの発想はとても素晴らしいですね。皆さんが求める小さな子どもからお年寄りまで誰もが使いやすいキッチンの理想はわれわれもまだ実現できていません。今日は皆さんから良い宿題をもらった気がします」と感想を述べた。
間辺さんは、小さな子どもからお年寄りまで幅広い世代がゲームや料理をしやすいキッチンのデザインを考える際は「現在のキッチンの形にとらわれないほうが良いと思います。昔の日本では縁側や床にまな板を置き座って包丁で食材を刻むこともありました。身長が低い小学校低学年でも料理の仕方を工夫すればゲームと共に料理も家族で楽しめることができると思います」と話し、シンクの高さなどキッチンの設備面だけでなく、料理の仕方も含めた“大きな視点”で、最適なキッチンを考えることの重要性を指摘した。
包丁や火を扱う料理とゲームを同じ空間で楽しむための効果的な安全対策を聞かれた守屋さんは「音にめりはりを利かせるといいと思います。人は音で注意や思考対象が切り替わります。画面を見てゲームを楽しむ時はにぎやかな音楽を流し、包丁を使い料理をする時は静かな音楽を聞かせて料理への集中を促す音響の仕組みを考えてみるのもいいかもしれませんね」と語り、聴覚の活用アイデアを伝えた。

モニター付きキッチンを見学する生徒(手前右2人)
クリナップ社員の話を聞いた生徒たちは「理想のキッチンを考える段階にとどまっている私たちと異なり、丈夫で長持ちする美しいキッチンを実際に作っているクリナップの皆さんのお話はとても刺激的で理想のキッチンを追求する私たちにとって貴重な機会になりました」とお礼を述べた。この日聞いたプロの声を参考に生徒はさらに検討を進め今春、自分たちが考える理想のキッチン像を校内で発表する予定という。
生徒は、クリナップの藤原さんらの案内により、同社の「未来キッチンプロジェクト」にて検討を重ねているプロトタイプで屋外にも持ち運び可能な「モビリティキッチン」や、食材の下処理など手元の調理手順を画面に映せるモニター付きキッチンなど、最先端のキッチン商品も見て回り、見聞を広めていた。









