日本で唯一桜えびが水揚げされる駿河湾・由比漁港で、桜えびの秋漁が始まった。初日の水揚げ量は前年比2倍の約2.3トン。静岡市内では、漁期の12月25日まで「生桜えび丼」や「かき揚げ丼」など、とれたての桜えびがあちこちの飲食店で堪能できる。
桜えびは、記録的な不漁をきっかけに県桜えび漁業組合が2018年から資源回復を目指し、主な産卵場である駿河湾の奥に「保護区」を設定。漁を行う隻数や網を入れる回数の制限など、自主規制を行ってきた。桜えびの年間水揚げ量は、2020年の約128トンから、2023年には約500トンと、少しずつ回復の兆しが見えてきたところだ。
由比港漁業協同組合の宮原淳一組合長によると、今年は気温も水温もまだ高いというが、12月は寒くなってくるとの予報で、「漁は大変厳しいが、桜えびが少しずつ階段を上るように増えていると実感している」とのこと。由比漁港内にある漁協直営の「浜のかきあげや」では、由比漁港でとれた生の桜えびをふんだんに盛り付けた「生桜えび丼」や、桜えびの釜揚げと由比漁港でとれたしらすの釜揚げをふんだんに使った“由比の幸のコラボ”どんぶり、「由比丼」などを味わえる。
また「由比港漁協直売所」では、桜えびやしらすなど由比の特産品を取り扱っているほか、オンラインショッピングも展開している。