子どもたちと絵本を楽しみながら、その自由な発想に気持ちがゆったりすることは多い。“絵本界の本屋大賞”ともいわれる「第17回MOE絵本屋さん大賞2024」(白泉社・東京)の新人賞第1位に、『ぎょうざが いなくなり さがしています』(玉田美知子作・講談社)が、第2位に『おふろさん』(せきぐちひろみ作・講談社)が選ばれた。
絵本月刊誌「月刊MOE」が全国の絵本専門店や書店の児童書担当者など、ふだんから絵本に携わる3000人を対象にアンケート、その年のオススメ絵本をランキング形式で発表する大賞。『ぎょうざが いなくなり・・・』は、「ひだが 5つある ひとくちサイズの やきぎょうざ」が行方不明になり、町内放送を聞いたとしおくんがなぜギョウザがいなくなったのか、あれやこれやと妄想する楽しいお話。『おふろさん』は、バスタブ「おふろさん」が、自分もお風呂で気持ちよくなってみたいと、こっそり銭湯に出かけてしまうというお話だ。おふろさんが自分より大きな湯船につかっている姿は気持ちよさそうで、寒い季節にぴったりの、体のしんまで温まる絵本だ。
1、2位とも、絵本の中を所狭しと動き回るのは人や動物ではなく、ぎょうざとバスタブ。無生物だからこそ出せるフォルムのかわいさに癒やされる。
【17回MOE絵本屋さん大賞2024新人賞の結果】
第1位 ぎょうざが いなくなり さがしています(玉田美知子/作、講談社)
第2位 おふろさん(せきぐちひろみ/作、講談社)
第3位 そうじきのなかのボンボン(加藤絢子/作、フレーベル館)
第4位 えっびっ このこ だいきらい(伊豆見香苗/作、303BOOKS)
第5位 もののけしょくどう うらめしや(たにむらのりあき/作、福音館書店)