興味深い博物館や好みの美術展示を見るたびに、博物館学とか展示論の分野をのぞいてみたいとふと思う。全国の水族館の魅力を一冊にまとめた『自然のままの生き物と新しい感動に出会う日本全国厳選水族館38』(大洋図書、税込み1980円)が発売された。人気水族館を手がけてきた水族館プロデューサー・中村元氏の待望の最新刊だ。
愛知の名古屋港水族館や福島のアクアマリンふくしまなど、一日中遊べる巨大水族館や、東京のサンシャイン水族館、大阪の海遊館、神奈川の新江ノ島水族館など、旅やデートにぴったりの水族館、学んで楽しめる個性派水族館として、北海道の北の大地の水族館、山形の鶴岡市立加茂水族館、滋賀の県立琵琶湖博物館など、全国から厳選した個性派水族館がたくさん掲載されている。水族館と一言で言っても、展示の仕方やその魅力の幅は広い。陸上で海の魅力と出会える場所を選ぶなら最適の一冊だ。
監修した中村氏は、鳥羽水族館を皮切りに新江ノ島水族館、サンシャイン水族館、北の大地の水族館など多くの水族館のリニューアルを手がけ、魅力的な最新の展示を開発し続けている。北里大学学芸員コースで博物館展示論の講義も行っている。