そうでなくても「片付け」は大変なのに、高齢になってからの身辺整理は重労働と生前整理を考える人が増えている。そうはいっても、いざ始めてみるとまだ処分はできないという物も多く、整理は遅々として進まない。不用品回収業者の「粗大ゴミ回収本舗」(ゴン・埼玉県戸田市)が実施した「生前整理に関する意識調査」では、やはり「思い出の品」が捨てられない人が多かった。
全国の40~70代の500人を対象に5月に調査を実施。生前整理で「捨てられずに困った物」として「思い出の品」の次に多かったのが「衣類」。“生前”整理だとまだ着るかも、という断捨離でおなじみの迷いが顔を出すのかもしれない。次いで「書籍類」「食器」「貴金属」など、日常や人生の節目と関わりの深い品が上位に並んだ。
捨てられない理由としては、「高かったから」「誰かにもらったから」「思い出があるから」といった感情的なブレーキが多い模様。特に思い出の品については、「誰かに見せるわけでもないのに処分できない」という複雑な心理が働いている。
親の遺品整理をしながら、自分は家族に負担をかけまいと始める人も多い生前整理だが、親の遺品とは違う次元で、やはりモノの処分には高い壁があるようだ。