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銀座を中心に和食ブランドを展開する大東企業 外国人を管理職に積極登用し、副料理長などで活躍中

 

 銀座エリアを中心に「個室会席 北大路」「個室和食東山」などの飲食店を展開する大東企業(東京)は、日本の食文化を世界に発信するために、国内店舗で複数の外国人管理職が活躍している。国内にとどまらず、タイ・オーストラリアなどの海外にも店舗を構え、外国人従業員の活躍の場を広げて海外事業拡大を目指している。その取り組みの様子を、自社サイトで紹介している。

 大東企業は、1927年(昭和2年)創業。企業ミッションは、“日本の食文化を伝える料理人の技を通して、地域の人々と社会を楽しく”。銀座エリアを中心に「個室会席 北大路」「個室和食 東山」など飲食店を運営し、国内28店舗、海外でもタイ・バンコク1店舗を運営。今後さらなる海外出店を計画している。

 2022年秋には職歴・年齢関係なく自社店舗で働きながら学べる「板前オープンスクール」を開講し、海外でも活躍できるグローバル人材の育成を目指している。その結果、現在は88人の日本人に加え、6人の外国人管理職が働いている。外国人管理職の活躍は海外店舗でもめざましく、今後の海外事業拡大につなげていくことを目指している。  ミャンマー出身で「GINZA SUSHI BANYA KAI」副料理長のタン・ジンさんは、和食に興味を持ち、日本で研究を重ねて、将来自国で日本料理店を開く夢を抱いて来日したという。2011年、29歳でアルバイトとして入社。過去に働いていた会社では、外国人にチャンスは多くなかったというが、大東企業では平等に扱われ、外国人であっても料理人としてレベルアップできたと語る。努力を重ねて社員となり、主任を務め、2024年6月に副料理長に就任した。日本料理の魅力を伝える料理人であることに誇りを感じ、さらにレベルアップを目指して料理長を目指すという。

 「GINZA SUSHI BANYA KAI」には、ミャンマーだけでなく、イタリアやモンゴルの従業員もおり、多様な人材に対応した指導プロセスを構築してきたという。外国人スタッフに対しても、能力に基づいて公平に登用することで、国内外の事業拡大の大きな推進力になると位置付けている同社。今後も多様な人材を受け入れ、日本の食文化発信に誰もが活躍できる環境を国内外に設けて事業拡大に当たるとしている。